biomy、NVIDIA GPUを活用した病理画像解析プラットフォームのサービス提供を開始

biomyは8月30日、AIを用いた病理画像解析のためのクラウドサービス、「DeepPathFinder」 の提供開始を発表した。この先進的なサービスは NVIDIA のテクノロジを最大限に活用して開発されており、三井物産が同社の戦略子会社であるゼウレカを通じて構築する製薬業界向けのスーパーコンピューター、Tokyo-1 とも今後連携する予定。

「DeepPathFinder」は、がん細胞と取り巻くがん免疫微小環境の理解を高めることを支援する、研究用途のサービス。

ICI の薬効には、がん免疫微小環境が重要な因子であることが数多くの論文で報告されている。「DeepPathFinder」に実装されているAIは、病理画像から上皮細胞、リンパ球、マクロファージに留まらず、線維芽細胞やプラズマ細胞も検出する。組織についても、腫瘍、壊死、間質など、細かな分類を支援する。

これらの情報を組み合わせることで、間質内のリンパ球や線維芽細胞の数、密度を定量的に評価し、腫瘍から特定の距離に存在する免疫細胞の数を把握することができる。さらに、形態学的な特徴を元に、一部のドライバー遺伝子変異の特有の特徴量を検出する機能も実装されている。

DeepPathFinderで細胞や遺伝子変異の推定結果を可視化した例(左:細胞抽出結果、右:ドライバー遺伝子変異の推定結果と変異ありと判定した場合の根拠になっている領域の可視化結果)
画像提供:biomy

このように「DeepPathFinder」では、薬剤感受性に重要ながんの空間的、形態的特徴を迅速に解析することで、研究用途だけでなく、将来的には診断から治療の現場でも貢献することを目指している。

さらに、biomyは、H & E 染色画像と多重免疫染色画像や連続切片の免疫染色画像を用いて、H&E 染色画像のみから免疫細胞の分布を推定する技術を開発しており、この技術を応用して、さらなるがん免疫微小環境の理解にもチャレンジしている。がん免疫微小環境に注力して解析できる AI 技術を持つ企業としては、国内有数だという。

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