ソニーは30日、ディープラーニング(深層学習)のプログラムを生成できる統合開発環境「コンソールソフトウェア:Neural Network Console クラウド版」において、複数のノードを利用して膨大な計算を可能にする分散学習環境の提供を開始した。
ソニーは、2017年6月にディープラーニング開発のためのコアライブラリ「Neural Network Libraries」をオープンソース化し、同年8 月にコンソールソフトウェア「Neural Network Console」の提供を開始した。また、2018年5月からは複数GPU による高速学習サービス「Neural Network Consoleクラウド版」の提供を開始し、ウェブブラウザーでアクセスするだけで、GUI ベースの直観的な操作画面やクラウド上のリソースを使用した本格的なディープラーニングのプログラム開発ができる統合開発環境を提供している。
さらに、2019年4月からクラウド版のGPUとして、産業技術総合研究所が構築・運用する世界最大規模のAI 処理向け計算インフラストラクチャであるAI 橋渡しクラウド(AI Bridging Cloud Infrastructure=ABCI)」の選択ができるようになった。
今回、「Neural Network Console クラウド版」の学習・評価で利用できる「ABCI」の計算ノードにおいて、複数のノード(マルチノード)による分散学習に対応。これまで1つの学習処理あたりで利用できる計算ノードは1 台(4GPU)が最大だったが、今後は最大16台(64GPU)の利用が可能になる。これにより、従来は一部の研究者などが利用してきた大規模なAI開発環境を、一般のユーザーがGUI を介して手軽に利用できるようになるという。
関連URL
「コンソールソフトウェア:Neural Network Console クラウド版」
「Neural Network Libraries」
ソニーネットワークコミュニケーションズ