東陽テクニカは3月31日、過去のEMI測定データをもとに効果的な対策方法を見つけ出し、開発者が“今”必要としているEMI対策の実施をアシストするソフトウェア「EMINT(エミント)」をした。
波形の特徴をもとに、過去データの中から類似の事例をAIで推定して提示する機能をはじめ、EMI対策に示唆を与えるさまざまな機能を搭載する。
近年、電子機器はその高機能化に伴い、電気自動車(EV)、自動運転車、5GやIoTデバイス、先進的なコネクテッド医療機器など、さまざまな産業で使用されるようになった。高機能化と同時に電子機器はさらに複雑化しており、製品開発の場で行われるEMI試験はさまざまな機関で定められた厳格な規制への準拠が求められ、その必要性はより高まっている。
また、EMI試験の結果が規制で要求される基準値を満たさない場合に行うノイズ対策において、部品・素子の交換や配線の取り回し変更、ノイズ対策部品の取り付けなど、試行錯誤で対策が行われており、その技術知見が属人的で組織への還元が十分になされていないという課題もあるという。
「EMINT」は、開発エンジニアが個々に持っていた対策ナレッジを収集・集約し、さまざまな技術情報・測定データと関連付けて整理する。その整理されたデータベースをもとに、AIが必要なナレッジを提示することで、過去の資産や設計情報を活用した効率の良いEMI対策が可能となり、工数の削減に貢献する。
さらにはエンジニア同士の技術知見が交換され、その共有が可能になる。「EMINT」は、電子機器の開発において、企業におけるノウハウの継承やエンジニアの人材育成など、その業界が抱えている課題の解決をサポートする。
同社では今後、データ連携するEMI測定ソフトウェアの種類を拡大していくとともに、EMI対策の作業効率改善に役立つ機能を継続的に追加していくという。