パナソニックは28日、2つのAI技術を開発し、この度、世界最高峰の国際学会であるCVPR2021(IEEE Conference on Computer Vision and Pattern Recognition)において採択されたと発表した。
研究成果の概要
[1]Home Action Genome: Contrastive Compositional Action Understanding
住宅内における人の日常行動を模したシーンを、カメラや熱センサなど数種類のセンサを用いて撮影・計測したデータセット「Home Action Genome」を構築した。住空間向けデータセットはこれまで規模が小さいものが主流であったのに対し、世界最大規模の住空間向けマルチモーダルデータセットを構築・公開した。本データセットを適用することにより、AI研究者は、機械学習の学習用データとして用いることができるとともに、住宅内の人をサポートするAI研究に活用することができる。
上記に加えて、マルチモーダル・複数視点における階層的行動認識のための協調学習技術を開発。本技術を適用することにより、異なる視点・センサ、階層化された行動と詳細動作ラベルの間で一貫性を持つ特徴量を学習できるため、住空間における複雑な行動の認識性能を向上することができる。この技術はパナソニックのテクノロジー本部 デジタル・AI技術センターとスタンフォード大学 Stanford Vision and Learning Labとの連携による研究成果。
[2]AutoDO: Robust AutoAugment for Biased Data with Label Noise via Scalable Probabilistic Implicit Differentiation
大量の学習データを収集することが困難な環境に適用が可能なAI技術の実現に向けて、学習データの分布に応じて自動的に最適なデータ拡張を行う学習技術を開発した。パナソニックの主要事業領域の中には、大量のデータを集めることが難しいために、AI技術を十分に活用できていないケースも多数存在している。この課題に対して、本技術を適用することにより、これまで専門家の介在が必要であったデータ拡張パラメータのチューニング(調整)プロセスをなくし、自動で調整することができるため、AI技術の適用可能範囲を飛躍的に広げることが期待できる。今後の展開としては、本技術の研究開発を更に加速することで、身近な機器やシステムなどリアルな環境で使えるAI技術の実現に取り組んでいく。この技術はパナソニックのPanasonic R&D Company of America AIラボラトリーと、テクノロジー本部 デジタルAI技術センターの研究成果。
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発表論文 Home Action Genome: Contrastive Compositional Action Understanding