GITAI、経産省から宇宙船外汎用作業ロボットアーム・ハンド技術開発を受託

宇宙用汎用作業ロボットを開発するGITAI Japanは30日、経済産業省から「令和2年度補正宇宙開発利用推進研究開発(宇宙船外汎用作業ロボットアーム・ハンド技術開発)(初年度予算:最大2.7億円)」を受託したと発表した。

近年、世界の宇宙開発競争の激化に伴い、軌道上サービス(人工衛星に対する燃料補給・修理・メンテナンス、宇宙デブリ除去)や月面探査・基地開発の需要が急増している。サービスの実現には「宇宙船外で汎用的な作業が可能な自律ロボット」の実現が必要不可欠。

こうした状況を踏まえ、経済産業省は軌道上や月面の船外環境で複数種類の複雑な作業を自律的に遂行できる宇宙船外汎用作業ロボットアーム・ハンド技術の実用化を目的に、下記①〜③の技術開発と下記④の事業活動を行う委託先を初年度予算:最大2.7億円で公募していた。
①汎用作業ロボットアーム・ハンド技術
②高度かつ低負荷な自律制御ソフトウェア技術
③ロボットの手先の転換を可能とするインターフェイス技術
④軌道上サービスの市場動向や標準化動向等を開発計画に反映させるとともに開発成果を標準化活動機関にインプットする活動
その結果、GITAI Japanを含む2社が上記公募を受託した。

GITAIは既に多くの宇宙用汎用作業自律ロボットの開発実績があり、昨年(2020年)からはNEDOの助成金の交付による支援も受けながら宇宙船外対策も進めていた。今年(2021年)秋には米国民間宇宙企業・NASAと共同で、同社が開発した宇宙用汎用作業自律ロボットS1によるISSでの技術実証も実施する予定。

2023年には米国民間宇宙企業と共同での軌道上サービス技術実証、2025年には米国民間宇宙企業と共同での月面実証も計画している。

また、技術実証以外にも同社は既に複数の民間宇宙企業から宇宙船外用汎用作業自律ロボット開発の案件を受注しており、各顧客の用途に特化した自律ロボットの開発も進めているという。

GITAIは今後も「宇宙に安価で安全な作業手段を提供する」ことをMissionに、宇宙船外用汎用作業自律ロボットの開発を進めていくとしている。

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