ジョリーグッドは18日、自社で開発した手術室常設型VRライブ配信システム「オペクラウドVR」が、国立研究開発法人国立がん研究センター東病院(千葉県柏市)に導入されたと発表した。
東病院の医療機器開発センターは、医療機器開発を目指す企業や研究者向けに臨床現場体験を提供することを目的として、実際に行われているがん治療手術を、執刀医目線の360度VR体験でリアルタイム配信するサービスを開始。本システムの導入により、これまで制限があった入室人数の問題を解消することに加え、これまで見学を行うことが困難だった放射線使用下や感染症の治療現場においても、効率的で臨場感の高い「次世代の臨床現場観察」を実現する。
オペクラウドVRは、熟練医師やベテラン看護師、メディカルエンジニアなど治療現場のスタッフの視野を、常設された高精度360度カメラでライブ配信し、同時にデータ蓄積管理を行う統合システムソリューション。オペクラウドVRは、手術室に入ることなく、ベテラン医師の技を術者目線で一斉にVR体験が可能となり、医師や医大生をはじめ、医療機器開発に関わる研究者へ向けて、臨床現場観察の機会を提供することを可能にする。
国立がん研究センターは、日本医療研究開発機構(AMED)の「次世代医療機器連携拠点整備等事業」に採択されており、海外からの来訪も多く、今後さらに医療機器開発に関わる人材の見学者増加が見込まれているという。
手術室に入る必要がないオペクラウドVRは、感染リスクなどがある臨床現場でも複数人での見学が可能。また、大腸がんなどの内視鏡を使用した手術でも、オペクラウドVRが実現する高精度VRリアルタイム配信は、執刀医目線の手技はもちろん、周りの全手術スタッフの動きまで把握することが可能だという。