三菱重工グループの三菱造船は12日、日本財団が公募した「無人運航船の実証実験にかかる技術開発共同プログラム」に新日本海フェリーと共同で応募し、採択されたと発表した。
これを受け三菱造船は今後、新日本海フェリーと共同で日本財団の助成金による支援を得て、無人運航を可能とする要素技術・システムを開発し、国内航路で無人運航船の実証実験を行う。
今回の実証実験は、三菱造船が新日本海フェリーから受注して三菱重工業長崎造船所の本工場(立神)で建造する大型高速フェリーに、今回開発するシステムを搭載し、乗組員による監視および待機のもとで十分に安全を確保しつつ、無人運航を実施するもので、期間は2021年6月末に予定されている本船引渡しから2022年5月までの約1年間の予定。
三菱造船は、1990年代から航海支援や荷役支援等の船舶の自動化システムの開発を行ってきた。今回の開発では、新日本海フェリーのほか大学やIT企業ならびに制御システム企業等と共同で、さらに高度な無人運航関連の要素技術をインテグレートした大型フェリーの設計・建造を行い総合的な無人運航船の実証実験を行う。さらに三菱重工グループで開発を行っている大型機器の遠隔診断技術を船舶機関室に応用するなど、無人運航船プラント総合システムとしての実証実験も行い、技術開発の促進につなげていくという。