ヘッドウォータース、エッジAIの機械学習を全自動化する「SyncLect Edge AI Automation」開発

AIソリューション事業を手掛けるヘッドウォータースは15日、エッジAIの機械学習を全自動化するシステム「SyncLect Edge AI Automation(シンクレクト エッジ エーアイ オートメーション)」を開発したと発表した。

本システムは、従来、多大な人手と時間が必要だったエッジAIの機械学習コストを大幅削減し、さらにクラウドAIで推論精度を向上させる画期的なシステムだという。

近年、日本でも5Gの普及やIoT技術の発達によりスマートストアやスマートビルディング、スマートシティの分野でもエッジAIを活用した事業課題の解決やサービス向上に取り組む企業が増加している。こうしたエッジAI活用においては機械学習による推論精度の向上が重要であり、そのための各プロセス(データ収集→アノテーション→再学習→再配布)にはデータサイエンティストやエンジニアなどの専門人材による作業が必要となる。

しかし、市場で不足する専門人材を採用することは難しく、また採用後も高額な作業費が長期間にわたって発生するため、エッジAIを導入する企業にとって大きな負担となっているのが実情。

ヘッドウォータースでは、こうした専門人材の不足やコスト負担の課題を解決するため、エッジAIの機械学習プロセスを全自動化する「SyncLect Edge AI Automation」を開発した。

「SyncLect Edge AI Automation」開発過程において、機械学習の中でも重要であり、かつ作業工数がかかるアノテーション作業への削減効果に関する実証実験を行った結果、作業時間を約90%削減することに成功した。

<実証実験の概要>
・実験内容:エッジAIカメラからの画像データについて、手作業でアノテーションを実施した場合と「SyncLect Edge AI Automation」でアノテーションを実施した場合の処理時間を計測

■推論精度の向上機能について
一般的にIoTエッジデバイスとして利用される端末機器のコンピューティング性能は、クラウド上で動作するサーバーと比較して大きく劣っている。よってIoTエッジデバイス上で動作するAIの機械学習モデルは、性能面を考慮してプログラム処理を軽量化して作るため、結果クラウド上のサーバーで実行された画像解析結果よりも推論精度は劣ってしまうことがほとんどとなる。

「SyncLect Edge AI Automation」は、この性能差の解消にも成功している。優秀なクラウド上のサーバーによる推論を使ったアノテーション、再学習、再配布のサイクルを繰り返すことでエッジAIの推論精度をクラウドAIレベルまで向上させることが可能となる。

■活用シーンについて
「SyncLect Edge AI Automation」は、エッジAIカメラで収集した大量データを高精度かつタイムリーに画像解析する必要がある環境において特に高い効果を生み出すことが期待できる。具体的な活用シーンは次のとおり。

・スマートストアやスマートビルディングにおける商品管理や混雑状況把握への活用
・スマートシティにおける画像解析への活用
・メーカー製造ラインにおける不良品検知への活用

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