深層学習を用いた画像認識技術の社会実装を手がけるインキュビットは23日、2018年から気象庁気象研究所が実施している「AIを用いた竜巻等突風・局地的大雨の自動予測・情報提供システム」における研究開発委託先として採択され、その主幹となる竜巻検知AIモデルの開発を2020年6月から開始したと発表した。
気象の専門家が竜巻を検知する際に実際に用いる知見を活かし、多様な気象データをAIモデルに学習させることで、季節や気象レーダーの設置場所に左右されず、正確かつ自動的に竜巻を検知する汎用的なAIモデルの開発に取り組む。
本プロジェクトは、局地的・突発的に発生する竜巻をAI(人工知能)を用いて的確に検知することにより、鉄道をはじめとする様々な高速交通の安全性向上につながると期待され、将来的には、突風の影響を受けやすいドローンなど、さまざまな分野への適用も視野に入れているという。
インキュビットは、これまで土砂災害の危険性がある地域を抽出する地形判読AIモデル(応用地質・みずほ総研との共同開発)や、甲状腺エコー画像から腫瘍を検知するモデル(伊藤病院との共同研究)など、様々な業界の社会的意義の高い課題に取り組み、深層学習を用いた画像認識技術に特化した技術開発と社会実装を行ってきた。
今回、気象研究所が実施する「AIを用いた竜巻等突風・局地的大雨の自動予測・情報提供システムの開発」における委託先として採択されたことから、これまでに培ってきた技術力と先端技術の社会実装のノウハウを生かし、汎用的な竜巻検知AIの開発に取り組むとしている。