NVIDIAは6日、クボタがNVIDIA のエンドツーエンド AIプラットフォームを採用し、農業機械のスマート化を加速させるために協業すると発表した。
クボタは国内農機メーカーに先駆けて、スマート農業の本格的な研究を開始しており、「農機の自動化・無人化による超省力化」や「データ活用による精密農業」の普及を目指している。
中でも「農機の自動化・無人化による超省力化」の実現にあたり、クボタはNVIDIAのエンドツーエンドAIプラットフォームを導入した。これまでクボタはコンピュータービジョンの実装で自動運転・無人化農機の開発を試みていたが、天候や生育状況などのデータから適切な農作業を判断し、これまで実現できていない作物の収穫などの作業まで適時に実行に移す完全無人農機の実現に向けて、今後はNVIDIA のエッジ デバイス向けの組み込みAIプラットフォーム、NVIDIA Jetsonを活用して研究開発を進めていくという。
NVIDIA Jetson は高い計算処理能力、精度、電力効率に優れ、また産業向けNVIDIA Jetsonは高耐久設計のため、農業機械の過酷な環境に求められる要件を満たしている。さらにエッジ側では、高精細なスクリーンスティッチングやエッジ検出において、リアルタイムでスムーズな処理が求められるため、NVIDIA Jetsonは最適であると評価されたという。
AIの学習側の環境として、クボタは卓越したコンピューティングパフォーマンスのNVIDIA DGX AIシステムを導入し、研究開発を進めている。DGXシステムは、GPU向けに最適化されたディープラーニングソフトウェアのハブであるNGCをサポートしている。開発者はディープラーニングの開発に必要とされる、統合済みのフレームワーク コンテナーを使用することで、AIモデルの設計やトレーニング、実験、展開を容易に実施することができるため、研究開発から製品の市場導入までの時間を短縮することができる。クボタは最適な推論パフォーマンスを引き出すための鍵となるライブラリ、NVIDIA TensorRTを活用し、高性能な推論用のAIモデルの開発に取り組んでいる。