OKI、AIによる「追加学習モード」を備えた波形解析ソフトウェアの販売を開始
- 2021/3/4
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OKIは4日、AIエッジコンピューター「AE2100」のAIライブラリーの一つである波形解析ソフトウェア ForeWave for AE2100に、導入後の環境変化に合わせてAIが判別モデルを自動更新する「追加学習モード」を加えた「ForeWave for AE2100 Ver.3.0」を販売開始した。
振動や音響などの波形データをエッジ領域(現場)でリアルタイムに解析し、設備などの異常兆候を検知するForeWaveに追加学習の機能を加えることで、導入後の環境変化によって正常状態の閾値が変化しがちな設備やインフラ構造物の異常・予兆検知の精度を向上する。これにより、これらの設備・構造物監視への状態基準保全(定期検査ではなく、劣化状況にあわせて都度メンテナンスを行う保全方法)の適用が可能となり、道路や橋梁などのインフラ構造物やプラント工場の大型設備などにおける保全業務を効率化する。
労働力不足が深刻化するなか、設備やインフラ構造物の効率的な保全が求められている。従来行われている人手による定期検査では、故障の兆候を迅速に検知できない場合があることに加え、対象物の状態に関わらず検査を行うため、一定の費用が必ず発生する。また、複雑な設備状態の認識は難易度が高く技術継承が困難なことから、AIを用いた振動や音響などの波形データ解析による異常・予兆検知へのニーズが高まっている。こうした検知を行うためには異常を判別するための閾値を事前に定義する必要があるが、設備や構造物によっては、なかなか異常が発生せず異常データが取りにくい、あるいは設置後の動作環境の条件の変化により正常状態を示すデータに振れ幅が生じる、などの課題があった。
「ForeWave for AE2100 Ver.3.0」は、この課題を解決するため、設備動作や環境条件の変化に応じた正常データの振れ幅をエッジで自動学習し、自ら賢くなる「追加学習モード」を新たに備えた。ある時点での正常データを使って作成した初期の判別モデルに対し、運用中に得られたデータに応じた正常状態の閾値の拡張をAIが自動学習し、判別モデルを自動更新する。これにより導入後の環境変化に合わせた異常・予兆検知が可能となり、従来は適用が難しかった設備・構造物への状態基準保全適用により、保全業務の効率化を実現するという。