ロボティクス×AIで社会課題の解決を目指すセンシンロボティクスは18日、コスモ石油千葉製油所と共同でドローンによる監視システムの実装化に向けた実証実験を実施したと発表した。
今回の取り組みでは、先進技術を活用して点検業務における「人の作業の補完」を進め、将来的には高機能な機器と連携した「人の能力以上の検知・感知」と、クラウドを活用した情報収集・履歴管理の高度化を実証するとともに、コスモ石油千葉製油所が目指す「高度保安」を実現するために先進技術の実装を進めていくという。
『SENSYN CORE』は、データ分析・ロボット制御を行う業務自動化統合プラットフォーム。簡単な操作でドローンを点検対象物と適切な離隔距離を確保しながら安定的に自動飛行させることが可能で、特別な知識や技術がなくてもドローンの運用が可能になるため、ユーザー自身での運用を行うことが可能になる。
自動航行だけでなく取得したデータの一元管理を行うことができることにより部署間でのデータ活用がスムーズにできる他、画像を撮影した場所を地図上から確認、不具合箇所のマーキングやコメント記入など点検業務に必要な機能を搭載している。
実証実験では、①災害時点検や巡回点検実装を想定した屋外石油タンク(浮き屋根含む)の点検、②小型ドローンによる煙突内目視点検、③水中ドローンによる桟橋点検を実施した。
今後は、石油タンク以外の点検や履歴管理の高度化に向けた実証実験を行い、設備全体の監視業務への実装を進め引き続きコスモ石油千葉製油所が目指す「高度保安」の実現に貢献していくという。
少子高齢化や社会/産業インフラの老朽化を背景に、プラント設備におけるドローン活用のニーズは年々高まっている。ドローンの利活用により、塔類等の高所点検の容易化や大型石油貯槽タンク等の日常点検頻度の向上による事故の未然防止、災害時の迅速な現場確認が可能となり、プラントの保安力・利便性の向上や労働災害の減少に繋がることが期待されている。