ユニバーサルロボット(UR)は13日、自動車部品OEM製造の愛同工業が、部品の洗浄やリークテスト、ブロー工程などさまざまな工程へのワークの投入、取り出し作業にURの協働ロボットを導入したと発表した。2017年の初号機投入来、全40台のURロボットが導入された。
愛知県は自動車関連の大企業が多く、中堅規模の企業である愛同工業では人材が集まりにくい、という課題を抱えていた。対策を検討する中で人の作業を分析すると、ワークを機械へ投入、取り出す繰り返し作業が多く自動化に向いている、と判明したが、従来型の産業用ロボットは設備メーカーにシステム設計を外注する費用がかかるため容易に導入に踏み切ることができなかったという。
2016年にある展示会で、愛同工業の渡辺裕介代表取締役社長がURロボットに出会ったことがきっかけとなり、導入を検討することになった。URロボットが従来型産業用ロボットとは異なり、自分たちでロボットシステムの構築を行う前提であることが導入の決め手となった。初めに導入したのは、洗浄後の部品にエアブローをする工程。複雑な形状のワークを完全に乾かすには穴の中までブローする必要あるが、ロボットハンドにノズルを付けてブローすることで、人手では取れにくい狭い穴の中まで乾かせるようになった。
以降、リークテストから部品の洗浄、ブローにわたる一連の工程など、さまざまな工程でのマシンへのワークの投入、取り出しを中心にURロボットを導入し、3年間での導入台数は40台となった。今年もさらに10台の導入を見込んでいる。人が行っていた工程を自動化することで、人手が削減できたのみならず、工程を飛ばしてしまうといったヒューマンエラーを避けることができるようになった。結果として、3年間で生産性は倍増したという。