AI診療支援を医療機関に提供しているプレシジョンは7日、東京都の新型コロナウイルス患者向け宿泊療養施設の支援に特化したAI問診票「『今日の問診票』 コロナ宿泊療養者版」の提供を開始したと発表した。宿泊療養施設における電子問診票の導入は日本初だという。
また、宿泊療養者および在宅療養中の患者に役立つ説明動画も2月7日からYouTube上で公開する。
今回新たに開発したプロダクトは、症状等に応じて動的に質問が変わるAI問診票『今日の問診票』の機能を、新型コロナウイルス感染症の宿泊療養施設入所者に対する問診・患者説明用にカスタマイズした「『今日の問診票』コロナ宿泊療養者版」。
新型コロナウイルス感染症患者が急増する中、宿泊療養施設の業務に携わる看護師不足が深刻化しており、本プロダクトはこの問題を改善するもの。
今後は、提供施設を順次拡大していくとともにディープラーニングを用いた音声認識や英語などの他言語版を開発し、医療現場へのサポートをさらに進めていく予定だという。
『今日(こんにち)の問診票』とは、AI(⼈⼯知能)により症状等に応じて動的に質問が変わる電子問診票に、医学情報データベース「Current Decision Support(CDS)」を組み合わせた、AIを用いた本格診療支援システム。
CDSは日本を代表する著名医師2000名の協力の元で制作・更新しており、現在3000疾患および700病状の所見、全処方薬の情報を掲載している。現在までに大学病院の8割、全国300以上の医療機関で導入されている実績がある。
「『今日の問診票』コロナ宿泊療養者版」は、新型コロナウイルス感染症患者が宿泊療養施設に入所する際に必要となる問診に特化して、『今日の問診票』をカスタマイズしたウェブサイト。QRコードからウェブサイトにアクセスすると、療養中の体調や症状の有無、解熱薬の服用歴といった健康観察に関わる質問が表示され、患者が自分で回答を選んで入力する。回答に応じて表示される質問は30問前後で、入力にかかる時間は10分程度。
現状では、患者の健康観察と説明は看護師がすべて電話で行っており、1患者につき20~40分ほどを要するという。患者数が増大し、看護師が不足している医療現場において、この業務が大きな負担となっていた。「『今日の問診票』コロナ宿泊療養者版」を使用することで、健康状態の聞き取りや、その後の登録作業にかかる時間を半分以下に減らすことができる。
入力結果により、重症化のリスクなどがルールべースAIで評価される。患者にとっても、電話応答に比べて短時間で健康報告ができ、また、自分のペースで回答することが可能なため、より安心で安全な療養期間を過ごすことができるようになる。
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