グロービス、AIラーニングシステム「GAiL」で特許取得

グロービスは26日、グロービスAI経営教育研究所(GLOBIS AI Management Education Research Institute、略称GAiMERi)で研究・開発された「GAiL/ゲイル (グロービスAIラーニング、GAiL)」について、特許を取得したと発表した。

GAiLは、学習者がオンライン上でビジネスケースを読み進めながら設問に解答すると、解答内容をAIが深層学習アルゴリズムを使った自然言語処理により解析し、個別の解答に寄り添った解説やアドバイスを表示する学習支援ツール。これにより学習者は、これまで自動化が難しかった記述式演習問題の解答のフィードバックを、いつでもすぐに受け取ることができる。

グロービス経営大学院では、4月12日から動画とAIで学ぶMBA単位が取得できる「ナノ単科」の提供を開始。GAiLは、ナノ単科の学習サイクルにおける「AIによる記述式学習」に活用されている。GAiLによって学習者の解答に合わせたフィードバックを行えるようになり、一人ひとりに合わせたより深い学びの提供を可能にした。多くの人にとって始めやすい形で、その人に合った経営の学びを提供できる画期的なAIラーニングシステムだという。

本技術が特許として認められた背景として、グロービスがこれまで経営知の教授法開発において均質化・標準化を目指し、その結果としてテクノロジーに変換可能としたことがあげられる。これは、長年のビジネススクールの運営における経験値の蓄積によって実現したものであり、経営教育の分野においてその教授法のAI化を実現したことは、世界的にも類まれな事例だという。

GAiLは、2017年2月に設立された「グロービスAI経営教育研究所」(GLOBIS AI Management Education Research Institute、GAiMERi)で研究・開発された。GAiMERiは、国内最大のビジネススクールであるグロービス経営大学院、企業の人材育成や組織変革など教育現場から得られる知見と、AIをはじめとするデジタルテクノロジーや認知科学の発展がもたらすイノベーションを統合し、次世代の経営教育モデルの研究開発を推進する研究所。所長にはグロービス経営大学院教授 鈴木健一氏が、アドバイザリーボードには慶應義塾大学環境情報学部 教授 ・Zホールディングスシニアストラテジスト 安宅和人氏、東北大学大学院情報科学研究科教授 乾健太郎氏、東京大学大学院工学系研究科教授 松尾豊氏の3人が就任している。

グロービス経営大学院では、2016年からビジネスにイノベーションを生み出すリーダーを育成する「テクノベート」の科目提供を開始。「テクノベート」を標榜する経営大学院として、2019年から入試の書類選考にAIを試験導入するなど、挑戦的な取り組みを行ってきた。2021年には、自社開発したAIによる自然言語テキスト解析エンジン「GAiDES (GLOBIS AI Document Evaluation System)」を搭載したレポート採点支援システムに関して、グロービス初となる特許を取得。今後もGAiMERiの研究を活かし、最先端のテクノロジーを活用することで、一人でも多くのビジネスパーソンに最適な学びの場を提供していくとしている。

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