社会インフラDXのリーディングカンパニーであるセンシンロボティクスは11日、中部電力パワーグリッドと共同で、送電設備の業務効率化に関する開発研究を実施し、送電設備自動点検技術の大型鉄塔への適用拡大と送電線(架空地線・電力線)を自動追尾する送電設備自動点検技術を開発したと発表した。
本技術をもとにソフトウェアを開発し、中部電力パワーグリッドが保有する送電設備の点検業務で運用を図る予定だという。
両社はこれまでにも飛行ルートおよび撮影アクションを自動生成し、ドローンを活用した送電設備自動点検に特化した技術を確立してきた。今回送電線(架空地線・電力線)自動追尾機能を追加したことで、自動点検飛行中の機体やカメラ操作が不要となり,ドローンに関する特別な知識を持たない作業員でもより簡単に送電線点検業務を実施することが可能になる。
この技術は、市場に流通している一般的なドローンを使用するため、これまで専用のセンサーを使用するなど実験的な側面が強かった自動飛行を実用レベルに押し上げるもので、送電設備の点検業務の効率化が期待される。また、超高圧送電線路など大型設備の点検も対応可能になったため、より点検範囲が広がる。
標準的な送電設備だけでなく、大型な送電設備(超高圧送電線路等)でも自動点検飛行が可能になった。センシンロボティクスが保有する業務自動化プラットフォーム「SENSYN CORE」と、中部電力パワーグリッドの送電設備点検ノウハウを用いて共同開発した送電設備自動点検技術を組み合わせることで、鉄塔(支持物・がいし)と送電線(架空地線・電力線)を一括で自動点検する。
また、単導体送電線だけではなく、多導体送電線も点検できるようになったため、より多くのシーンで送電線点検業務の効率化を実施することが可能になったという。