スカイマティクスとオリエンタルコンサルタンツは6日、共同開発した、AI礫判読システム「グラッチェ」が、国土交通省の新技術情報提供システム(New Technology Information System:NETIS)に登録された発表した。
NETISとは、公共事業が抱える様々な課題に対し、民間企業などで開発された技術を募集し、新技術情報をインターネット上に公開し、検索を可能にしたデータベースシステム。
新技術にかかわる情報が分類されており、国や地方自治体が行う公共事業全般にも積極的に利用されている。施工者は、NETISに登録された技術を使うことで、国や地方自治体が発注元となる公共工事に際し、工事成績評定での加点の対象となる。
「グラッチェ」は、UAV 等により取得した高解像度の撮影画像を用いた礫径の判読作業について、人工知能(AI)による自動判読技術を適用した DX(Digital Transformation)の先駆けになるシステム。本システムは、国土交通省の複数の砂防事務所の業務で活用されており、生産性向上や作業者の安全性向上の観点から砂防事業の高度化・効率化を目指している。また、急流河川の礫河原の景観に対して、変動状況を継続的に把握する等、河川管理への活用についても検討している。
従来の石礫調査業務は、人力による作業が中心で、人手不足や技能・知見の伝承に課題があった。砂防堰堤巨礫調査、巨礫賦存量の把握、粒径調査など砂防現場における様々な調査で「グラッチェ」を活用することで、危険で長時間に及ぶ現地調査の軽減を通じて、安全性と生産性向上を実現しているという。