データグリッド、AIを活用した動画学習の視聴・習得への影響を調査

データグリッドとドコモgaccoおよびデータミックスは27日、ドコモgaccoが無料オンライン講座プラットフォーム「gacco(ガッコ)」で提供するAIを活用した学習向け動画コンテンツを活用し、AIで生成した講師動画の視聴者への影響を調査、その結果を発表した。

調査は、年齢の平均と標準偏差が近しい値になるようランダムに、(i) AIで生成した講師動画(AI動画)を視聴するグループ、(ii) 人間による講師動画(リアル動画)を視聴するグループの2つのグループに分け、それぞれにドコモgaccoが提供するコース「ビジネスマナー」と「異文化コミュニケーション」の動画を視聴し、受講結果を比較・分析した。

その結果、AIで生成した講師動画と人間による講師動画の受講状況に大きな差はなかった。

AI動画、リアル動画の両方において、動画が進むにつれて視聴完了ユーザーの割合が低下する傾向にあるが、AI動画、リアル動画を比較すると、AI動画の方が視聴完了ユーザーの割合が高い場合もあることがわかった。

また、動画をスキップ(seek)した回数をヒストグラムにし、割合を確認した。「ビジネスマナー」「異文化コミュニケーション」どちらの動画でも、AI動画とリアル動画を比較すると、AI動画の方がスキップ(seek)した回数が0回の割合が高く、スキップ(seek)せずに視聴していることがわかった。

各動画の課題提出者を対象に、平均値と標準偏差を計算したところ、「ビジネスマナー」においてわずかにリアル動画を視聴したグループの方が高かったものの、大きな差はないことがわかった。

データグリッドとドコモgaccoは、2020年度からAIを活用した学習動画の作成サービスを提供してきたが、一部のユーザーからその学習効果や視聴、習得への影響に不安を感じるという声があった。

今回の調査ではAIで生成した講師動画と人が講師の動画を実際に視聴してもらい、比較することで、AI動画の方が視聴完了率が高く、習得度への影響もほとんどないことがわかった。また、学習後のアンケートでは映像や音声の機械的な印象や違和感など、改良の余地も発見された一方で、AIによる動画の作成は講師による説明のわかりやすさのバラつきを抑えることが期待できることがわかった。
AI技術による動画制作は、講師の方の稼働を軽減しながら動画制作を効率的に行うことができる。今後も引き続きAI動画についての調査分析を行い、利用者が各講座をより安心して効果的に受講できるためにサービス向上に取り組んでいくとしている。

▇ 調査内容
調査方法:動画視聴状況のモニタリングおよびアンケート
調査対象:20代から50代の男女73名 ※1
調査期間:2022年2月28日(月)10時〜2022年3月6日(日)
調査機関:データミックス

関連URL

ドコモgacco
データミックス
データグリッド

関連記事

注目記事

  1. 2024-9-27

    アイスマイリー、AI検索システムカオスマップ 2024を公開

    AIポータルメディア「AIsmiley」を運営するアイスマイリーは26日、各業界のDX推進の支援の一…
  2. 2024-9-19

    小学校の授業における生成AIの活用と文科省ガイドライン

    小学校の授業における生成AIの活用は、教育の質を向上させる新たな可能性を秘めている。生成AIを活用す…
  3. 2024-9-13

    「生成AI大賞2024」エントリーの受付を開始

    Generative AI Japan(GenAI:ジェナイ〉」)は12日、日経BPが発行・運営する…
  4. 2024-9-13

    レスキューロボットコンテスト25周年 2025年震災30年の大阪・神戸で競技会開催

    レスキューロボットコンテスト実行委員会は12日、防災啓発と創造性教育の提供を目的とした『レスキューロ…
  5. 2024-9-9

    Gatebox、飲食店向けAI接客サービス「AI幹事」を渋谷の「Bar ZEALOGIC」で導入開始

    Gateboxとだるまジャパンは6日、飲食店向けAI接客サービス「AI幹事」を渋谷に新規オープンした…

カテゴリー

最近の投稿

ページ上部へ戻る