ユニバーサルロボットの協働ロボットをトヨタ自動車北海道が導入

ユニバーサルロボット(UR)は29日、トヨタ自動車北海道が、車の差動歯車部品の加工機への投入作業等にURの協働ロボットを導入したことを発表した。

従来は、差動歯車部品「デフサイドギア」を加工機に投入する作業を人の手で行っていたが、フィーダから加工機へ自重で転がる構造のため、粗材に付着した油や異物によってうまく流れない搬送不具合が多発していた。作業員は粗材にキズをつけないよう注意深く作業する必要がある上、10個以上まとめて串刺しにした素材を一日に何度も供給するのは、大きな負担となっていた。さらに、1つの加工機に1台のフィーダが必要なためスペースやコストがかかることや、粗材の形状が変わる都度設備に変更を加えなければならないことも課題だった。

「モノづくり体質の強化」を重点方策とするトヨタ自動車北海道が、自前で工程改善を進めたいと考えていたところ、代理店の豊田油気よりURロボットを紹介され、ロボットの導入に向けた取り組みを始める。黒光りする部品を正確にピックアップし、所定のサイクルタイム内で収めることが困難だったが、URロボットに内蔵されたフォーストルクセンサを活用することで、カメラを使わずに粗材をピックアップするシステムを開発することができた。粗材をつかむグリッパはOnRobot社の製品で、URロボットとシームレスに接続できるUR+製品であるため、URロボットのティーチペンダント上で容易にプログラミングできた。また、URロボットは1台で2つの加工機に順にワークを供給するため、設備のスペースや費用も節減できた。ロボット導入後の工程稼働率は、92%だった従来から98%に向上したという。

初号機投入の成功を受け、トヨタ自動車北海道ではすでに4台のユニバーサルロボットが加工機へのワークの投入や、搬送工程で活躍している。さらに5台のロボットが、導入に向けて準備されている。

関連URL

事例詳細
事例動画
ユニバーサルロボット

関連記事

注目記事

  1. 2024-11-13

    手術室の主役は「人」から「AI・ロボット」へ 病院に於ける「AI・ロボット」の利用状況

    AIホスピタルは、医療分野における革新的な取り組みとして注目されている。特に「AI・ロボット」は、病…
  2. 2024-11-2

    「AI博覧会 Osaka 2025」2025年1月22日~1月23日開催

    AIポータルメディア「AIsmiley」を運営するアイスマイリーは、2025年1月22日(水)~1月…
  3. 2024-9-27

    アイスマイリー、AI検索システムカオスマップ 2024を公開

    AIポータルメディア「AIsmiley」を運営するアイスマイリーは26日、各業界のDX推進の支援の一…
  4. 2024-9-19

    小学校の授業における生成AIの活用と文科省ガイドライン

    小学校の授業における生成AIの活用は、教育の質を向上させる新たな可能性を秘めている。生成AIを活用す…
  5. 2024-9-13

    「生成AI大賞2024」エントリーの受付を開始

    Generative AI Japan(GenAI:ジェナイ〉」)は12日、日経BPが発行・運営する…

カテゴリー

最近の投稿

ページ上部へ戻る