イーグロースは7日、ノンプログラマである医師や医療従事者等ユーザ層に向けて、ノーコードで三次元画像に対するAI訓練ツールを開発したと発表した。本ツールは医用AI開発支援製品「Growth RTV」の追加機能として提供され、当該製品ユーザは追加料金なしで利用できる。
Growth RTVはDICOM RT/CT/MRIに対応し、本ツールを追加すれば、アノテーション(領域入力)、データ前処理、訓練、学習済みAIの実行、主観評価などをワンストップな環境で実行できる。プログラミング不要で、自施設専用AIの学習からアプリ化(社会実装)まで最短1~2週間程度で行える。
医用画像を利用したAI開発が盛んに行われているが、医用AIのニーズを最も知る医療従事者の多くは時間的な制約により、AIプログラミングを行うハードルは依然高い。イーグロースは、この問題を解消するため、ノーコードで三次元医用画像に対するAI訓練ツールを開発した。医療従事者らは、プログラミングすることなく、自施設のデータを利用したAI開発やアプリケーション化を簡便に行える。なお、初期リリースでは最もニーズの高い3次元領域自動抽出AIの開発機能を提供し、他用途向け医用AIについても順次対応予定。
3次元画像用AI開発のプロセスは大まかに分けて学習データ入力(アノテーション)、データ前処理、モデル設計、訓練、検証、アプリ開発になる。従来なら最短数カ月掛かる上、3次元医用画像データを扱えるAI企業およびAIエンジニアが不足しているため、開発期間およびコスト面で実現が難しい場合も多くある。
本ツールはイーグロース社製医用AI開発支援製品「Growth RTV」の追加機能として提供され、全プロセスをワンストップな環境下で行える。DICOM-RTデータ内の定義済み関心領域(ROI)に対する自動抽出AIであれば、最短1週間程度でアプリケーション化が可能。
イーグロースは本AI訓練ツールやGrowth RTVに対し、分類学習モデル等の他用途AIの対応や対象画像の拡張を行うことで、利用シーンの拡大、医療従事者のAIリテラシー向上や医用AI開発人材の育成に貢献することを目的としている。対象分野の拡張および性能向上を目指して現在新たな共同研究およびビジネスパートナーを募集している。