AIを利活用したサービスによる社会課題解決に取り組むエクサウィザーズは9日、AIソフトウェアの開発環境「exaBase Studio」に関する基本特許を取得したことを発表した。
今回取得した特許は、エクサウィザーズが開発中であるexaBase Studioの基本的な機能に関するもの。具体的には、AIソフトウェアの処理の流れをユーザーインターフェース(UI)上に図示すると、その内容を基にアーキテクチャの設計図を自動生成し、クラウドを含めたコンピューティング環境上にシステムが動作する基盤を自動で構築するというもの。
近年、さまざまなレベルでのノーコードやローコードのソフトウェア開発ツールが提供されており、これらを利用することでシステム開発が従来に比べて簡単になってきている。一方でこれらのツールを利用すると、ツールの制限範囲にとらわれることで開発の自由度が低下するため、高度なシステム開発には不向きであるという課題があった。
今回取得した特許においては、システムの部品にあたるコンポーネントの画像アイコンをUIの画面上に配置するだけで、ソフトウェア/システムの全体構造を設計できる。
特に、コンポーネントは事前に用意したものを利用できるほか、後から随時追加したり、新たなコンポーネントをプログラミングして追加したりすることも可能なため、開発の自由度を高めることができる。このようにして設計した内容を基に、クラウドなどにシステム基盤を自動的に構築することも可能となる。
今回取得した特許をもとに実現するexaBase Studioは、このように高度な設計からインフラ構築までのソフトウェア/システム開発を、一気通貫で容易に行うことができる。
今回の特許は、エクサウィザーズが本年5月に発表した「exaBase Studio」の着想に関連して出願したもの。
exaBase StudioはAIソフトウェア設計のための「Canvas」と呼ぶわかりやすいUIを持ち、事業部門の担当者やデザイナーなどがエンジニアと共同で設計や開発に参画できるようになる。その結果を、AIを用いたデータ処理の流れや実行条件の記述に関するドメイン特化言語である「exaBase Blueprint」に出力し、その上で「Constructor」と呼ぶ機能がクラウドなどへのシステム基盤の自動構築を行う。
このような機能により、顧客企業が内製主導で設計・開発、運用を行うことが可能となり、実行環境の構築に必要な時間と費用、運用時の負担を、外注時と比較して費用対効果を引き上げることができる。
今回の特許はこの一連の流れを対象としいる。exaBase Studioは現在開発中だが、最終的に次の図のような主要要素で構成する予定だという。なお点線部が現時点で一部企業にトライアル提供している部分。