神戸市は11日、安全にChatGPTを利用できるように条例改正や利用環境の構築などを進めており、ChatGPTの位置づけや活用に向けた実施スケジュールを公開した。
ChatGPTは作業効率の向上やアイデアの着想など様々な活用可能性がある一方で、リスクとして個人情報、機密情報の漏洩、捏造、拡散や、著作権侵害が起きることも懸念される。そのため、神戸市はChatGPTを業務で活用するにあたり、一定の制限のもと、安全に利用できる体制を整えていくという。
1.ChatGPTの条例への位置づけ
「神戸市情報通信技術を活用した行政の推進等に関する条例」において、安全性の確認されていない生成系AIに、個人情報をはじめとする機密情報の入力を制限する以下の条項を追加する。
【追加条項】
本市の機関等の職員は、職務上知り得た情報のうち神戸市情報公開条例第10条各号に掲げるものを含む指令を、次の各号に掲げるものに対して与えてはならない。
ただし、安全性が確認されたものとして市長が別に定める場合を除く。
(1) AIチャットボット
人工的な方法により学習、推論、判断等の知的機能を備え、かつ、質問その他の電子計算機に対する指令に応じて当該知的機能の活用により得られた結果を自動的に回答するよう作成されたプログラムをいう。
(2) その他前号に類するもの
2.神戸市独自の利用環境
【安全性の高い環境を整備】
神戸市は、Microsoft社のChatGPTサービスの活用により、「入力データが学習に使われない」、「入力データの履歴が保存されない」、また「国内法が適用される」ことで、情報の漏洩、捏造、及び拡散のリスクを大幅に低減する。
また、個人情報等の入力は禁止するなど、利用時の留意事項をまとめた神戸市独自のガイドラインを策定する予定。
3.スケジュール
5月:条例改正議案の上程、利用ガイドラインの策定
6月:神戸市庁内での試行開始
上記を施行した後、国の動向なども踏まえて利用ガイドラインを更新しながら、業務での本格利用を開始する予定。