鈴与は22日、ラピュタロボティクスの人と共に作業する協働型の自律走行運送ロボット(AMR:Autonomous Mobile Robot)「ラピュタPA-AMR(AMR)」を導入し、同社物流センターにおける本格稼働を開始したと発表した。
物流業界は生産年齢人口が減少することによる労働力不足が今後も継続することが予測され、同社においても労働力の確保対策は急務であり、生産性を維持・向上させていくための施策が必要となっている。その中でも倉庫現場におけるピッキング作業の課題は、作業員確保に加えて、人員の入れ替わりによる生産性低下を防ぐための教育に多くの時間を費やしていること。
同社はこの課題に対してロボットを用いた人との協働作業を行うことで、ピッキング作業の生産性向上とともに、作業者のスキルに依存しない高い生産性を確保し、顧客へ安定した作業品質の提供を模索していくという。
AMR導入による作業の流れ
①AMRは、複数台のロボットと連携しながら最適なルートを計算し、商品棚まで自律移動する。
②作業員は、手ぶらでAMRの場所まで移動し、商品を棚からピックし、AMRに乗せる。
③作業員は、AMRに表示される次のピッキング場所へ移動する。
④AMRは、次のピッキング場所に自律移動し、次の作業員へ指示を出す。
作業員は①~④の流れでAMRの指示に従い移動・ピックを行うことにより、効率的なピッキング順を理解していなくても正確に、 最適な順路でピッキング作業を行うことができる。
確認できた効果
・作業の効率化・標準化
作業者の熟練度によって変動するピッキング作業を標準化し、作業者のレベルに依存せず高い生産性を維持
・作業量削減による負担軽減
運搬作業がなくなり、かつ効率的に移動することで、従来使用していた台車の押す/止める作業による肉体的疲労も低減
・教育期間の短縮
作業者はロボットのナビゲーションに従って作業を進めるため、最低限の現場知識があればオペレーションが可能