そごう・西武は13日、そごう大宮店でAIカメラを活用した来店顧客のフロアをまたいだ行動分析の実証実験を開始したと発表した。
そごう・西武では2022年4月からAIカメラによる実証実験を開始し、客の数の把握と属性(性別・年代)を推定する取り組みを始めた。今回の実証実験ではそれに加えて、発展的な取り組みとして来店当日のフロアをまたいだ移動履歴(店舗内の位置、買い回りの順序、滞在時間)を分析する。
そごう・西武の店舗は日々多くの客が来店しているが、その中で取得できるデータは店舗全体の入店客数と商品を購入した客の情報のみだった。そのため、フロアに来場している多くの客の情報は取得できていない状況だった。
今回の実証実験ではそごう大宮店のメイン入口である2階正面入口と集客力の高い食品売場のある地下1階および7階催事場に計19台のAIカメラを設置。これにより客の来店目的が食品フロアへの目的購買なのか、非目的購買(ついで買い)なのかなどを可視化する。その分析結果をもとに、品揃え・店舗レイアウトの改善につなげ顧客体験価値の向上につなげるという。
今後はAIカメラを全館に設置していき、ECの当たり前をリアル店舗でも当たり前にする。ECでは、客がどこから来て、どうサイトを巡回し、何を買ったのか、あるいはどこで離脱したのか、全て可視化されるので、その状態をリアル店舗でも実現していく。
さらに将来的にはAIカメラで取得したデータと購買データを組み合わせて、出店しているテナントにサービスの一環として提供するなど百貨店としての新たな価値提供も目指す。
実証実験概要
期間:5月30日(火)~9月30日(土)
実証実験対象フロア:そごう大宮店 地下1階、2階および7階
AIカメラ設置台数:19台