パレットクラウド、GPTを利用した「AI回答サポート 正式版」をリリース
パレットクラウドは19日、賃貸管理会社向けの⼊居者管理システム「パレット管理」の機能として、GPTを利用した「AI回答サポート 正式版(有償)」を11月1日にリリースすると発表した。当機能により、管理会社の問い合わせ対応時間の削減とサービス品質向上を支援する。
賃貸管理会社が入居者からの問い合わせに対応する時間は全業務の80%近く(図1)を占めており、業務の大きな負担となっていた。また、クレームなど問い合わせの内容によっては担当者の業務ストレスとなっている現状があるという。同社はこの問題を解決するために2020年からAIの開発を続け、4月26日に「AI回答サポート(β版)」をリリースし、その後も機能アップデートを重ね今回「AI回答サポート 正式版」のリリースに至った。
「AI回答サポート 正式版」は、OpenAI社提供のAPI等を活用した2つの機能を備えている。
(1)FAQから回答を作成する
管理会社が作成した「よくある質問集」から入居者からの質問に対して最適な回答例を瞬時に探し出し、例をもとに人が書くような自然な言葉遣いに整えた回答文を作成する。
(2)回答文を整える
担当者が要点をまとめた箇条書きレベルの文章から、自然な言葉遣いの正式な回答文に整える。回答文は、そのまま送信するだけでなく担当者が自由に編集することも可能。
正式版では、「FAQから回答を作成する」機能において、管理会社が独自に作成した「よくある質問集」も学習して回答文を作成できるようになった。
【β版】同社が用意した汎用的な内容の「よくある質問集」の中から、AIが回答案を提案する機能
【正式版】管理会社独自の「よくある質問集」を参照し、入居者からの問い合わせの内容に応じて回答文が生成できるようになった。質問集から最適な情報を見つける仕組みや、よくある質問集をもとにした回答文の生成過程においてOpenAI社の言語処理を活用することで、より精度の高い回答作成を実現している。なお、「よくある質問集」の更新内容は定期的に反映され、AIは常に最新の情報をもとに回答文を作成する。
当機能の活用で、管理会社は問い合わせ対応業務の工数削減と担当者の業務ストレス軽減を図ることができるようになった。また、業務の熟練度に関わらず新人スタッフであっても一定の質が担保された文章で回答できるため、業務の属人化の解消や教育工数の削減にも貢献する。
また正式版では、パブリッククラウドとして利用できるマイクロソフト社提供のクラウドサービス「Microsoft Azure」から提供される、高いセキュリティ性能を誇るAPI(Azure OpenAI Service)を利用しているため、より安全性と信頼性の高い環境で利用できる。
今後も同社ではAIの活用を通して様々な業務効率化を支援していく。AI回答サポート以外にも、生成AIを活用した様々なサービス改善を計画しているという。