南相馬市とRDS、歩行解析ロボット「RDS CORE-Ler」活用した未病対策連携協定を締結
南相馬市とRDSは23日、歩行解析ロボット「RDS CORE-Ler(コアラー)」を活用した未病対策において連携協定を締結したと発表した。第1弾となる実証実験を「南相馬市シニアの集い」で実施した。
健康寿命を縮める主な原因には、認知症、脳卒中、関節疾患及び転倒による骨折などがあり、これらの原因と密接に関係しているのが「歩行」。歩行と人ぞれぞれの運動障害の特性やメカニズムを解析していくことは、こういった特徴をいち早く見つけることができるという。
「南相馬市シニアの集い」で行われた実証実験には、30代〜90代の方29名が参加。被験者は10mの歩行テストを行い「RDS CORE-Ler」が歩行データを取得。取得したデータをRDSが所有する罹患者の歩行データと照らし合わせて検証が行われる。参加者からは「歩くだけで病気の可能性が分かるなんて素晴らしい」「歩く健康診断みたい」などといったコメントが寄せられた。
今後も南相馬市のイベントや一部の健康診断(希望者のみ)で歩行解析の実験が行われる予定で、南相馬市とRDS、南相馬市内の事業者と協力し歩行解析を活用した未病対策を推進していく。
「RDS CORE-Ler」は、3Dカメラを搭載したロボットが歩行姿勢を測定し、得られたデータをクラウドサーバ上で保存・解析する歩行計測システム。歩行動作の解析を通した疾患研究に長年取り組んできた国立障害者リハビリテーションセンター研究所 運動機能系障害研究部 神経筋機能障害研究室(河島則天 室長)の研究成果をもとに、機械学習で判定精度を常に向上し、新しい健康のバロメータとして歩行動作を定義づけていく。また、従来は高価な動作解析(モーションキャプチャー)システムが必要だった歩行動作解析と同等な高精度測定を安価かつ簡単に行うことができ、歩行測定に特化したことで従来よりも多項目の評価が可能になった。高価な設備や専門性の高さが活用の壁になる高度な歩行動作解析を一般の人へ広く普及させ、発見が難しかった病気の早期発見や未病対策に役立つことも期待されている。
RDSは、国立障害者リハビリテーションセンター研究所 運動機能系障害研究部 神経筋機能障害研究室との共同研究により、被験者の歩行速度に合わせて移動するロボットが高精度な3次元測定を行う、独自の測定方式を開発した。