メタリアル子会社のロゼッタは26日、東洋経済新報社と共同で、ChatGPTを活用し、学習させた四季報の最新データを基に、ユーザーが求める回答をスピーディーに得られる「四季報AI」正式版を提供開始した。今回の正式版リリースでは、ベータ版との比較において参照・提案可能な企業データの正確性と種類数がともに向上しており、より多角的なデータに基づく分析的な応答が可能となっているという。
「四季報AI」は、東洋経済新報社の「会社四季報オンライン」をはじめとする記事・データを出典として、証券会社や株主はもちろん、投資家や市場調査担当者などを対象に、株式市場での企業分析をサポートする対話形式のツール。日々更新される四季報の最新データや、過去の膨大な情報をAIに学習させることで、企業の事業進捗や業績などを元にした高精細な分析と汎用的な生成AIとの比較で、より信頼性の高い回答が可能となり、企業同士の相関関係や業界動向分析など、様々な洞察をスピーディーにユーザーへ提供する新たな試みのサービスとなっている。
「四季報AI」の特徴
1. 株式投資、銘柄研究のヒントに
「四季報AI」は、ChatGPTを活用した高度なデータ解析により、株式投資、銘柄研究に関するユーザーの質問に対して多面的な回答を導き出す。質問文を工夫することで投資に役立つヒントを得られる。
2. 参照元の確認が容易に
「四季報AI」は、「会社四季報オンライン」をはじめとする東洋経済のメディアに掲載されている情報を主な参照元にしている。参照元を明示することで、正確性を担保する。
3. 機能強化を継続
リリース当初は「会社四季報オンライン」の最新データを主な参照元としていたが、順次、参照元の拡大を進めていく。また、ユーザーからフィードバックをもとに機能強化を継続していく。
今回のリリースでは、AIが参照・提案する企業データがベータ版から質・量ともに改善された。数値データのより正確な認識能力を備え回答文面の信頼性が向上した他、開発段階に比べ広範な情報を企業データベースから取得でき、より複合的な考察を踏まえた提案が可能となっている。
これにより、対話型の企業分析サポートツールとして、投資活動の検討に際した利用に留まらず調査・分析を目的とした幅広いユーザーのニーズにも応えられるよう進化している。
「四季報AI」では今後も、チューニングによる応答の改善やより良いモデルの検討を含め、利用状況を見ながら精度の向上などを行っていくという。