名古屋鉄道、名鉄EIエンジニア、トヨタシステムズ、東邦電機工業の4社は6日、2022年12月5日から実証実験を実施していた、踏切道を通行する人や車をAI画像解析で判別し、列車が接近中に人や自動車の滞留など危険な状況が確認された際に、異常を検知するシステムで、同システムを踏切付近に設置してある表示装置と連動させる仕組みを構築した上で本格運用を開始すると発表した。
踏切は線路と道路が交差する場所であり、人や自動車が列車と接触する恐れがあることから、「鉄道における弱点箇所」と言われている。全国では年間200件程度の踏切事故が発生し、死傷者数も100人を超えているほか、その都度列車の運休や遅延を伴うため、その社会的な影響は大きいものといえる。
このような状況に対して、交通に関わる事業者が互いに協力し、AI画像解析を活用した事故を未然に防ぐシステムの構築を 目指し、踏切の安全性を向上するための仕組みを導入する。
運用開始日:11月10日(金)初列車から
運用場所:名古屋鉄道 瀬戸線 新瀬戸2号踏切(愛知県瀬戸市西追分町)
*今後、順次拡大を予定(2023年度内の稼働予定数:10踏切 )
内容:
現行の踏切内における異常を検知する装置が、「踏切内に物体が存在しているか」を検知しているのに対して、新しい踏切監視システムでは、踏切内だけでなく、踏切の周囲も含めてカメラの映像に映っている人や自動車等がどのように動いているかを検出・解析するAI画像解析技術を用い、異常検知の精度を高める。
当システムが危険と判断した際には、連動した表示装置により列車の乗務員に対し踏切の異常を知らせる信号を表示することで、従来では困難であった事故の予兆を検知し、事故発生を防止するシステムとして運用する。