順天堂大学、AIを用いた脳容積解析ソフトウェアを開発

順天堂は16日、順天堂大学保健医療学部診療放射線学科の後藤政実 先任准教授、京極伸介 教授、代田浩之 特任教授、医学研究科放射線診断学の鎌形康司 先任准教授、神経学の波田野琢 先任准教授、服部信孝 教授ら、および富士フイルムメディカルシステム開発センターの湯澤拓矢氏、後藤翼氏らの共同研究グループが、認知症診断などにおいてニーズが高い「MRIによる脳容積解析」を簡便に実施できる技術を共同で開発したと発表した。

本成果は、人工知能を利用することで、従来の手法と比較して処理時間を大幅に短縮し、脳区域を最大107区域まで抽出することができる。本技術を使うことで、時間的・人的コストの観点から「MRIを用いた脳容積解析」を簡便に使える環境を提供することが可能となり、脳萎縮の評価のみならず、疾患の診断や脳年齢評価などに繋がる技術として、多様な活用が期待できる。本論文はMagnetic Resonance in Medical Sciences誌のオンライン版に2024年7月2日付で公開された。

本研究では、脳のMRI画像から、脳を107区域に領域分けしたアトラス(*1)を作成した。このアトラスは、Github(*2)上にアトラス名”JTD-Boggle-107”として公開しており、自由に研究開発に利用できる。このアトラスを基に、脳を107区域に細分化して各領域の容積を算出できるAI技術を開発した。また、その信頼性について、11人の健常人を3種類のMRI装置で2回ずつ撮影し、精度(同一の脳を同じ撮影装置で測定したときの測定値のバラつき具合)と再現性(同一の脳を異なる撮影装置で測定したときの測定値のバラつき具合)を従来法(例えば、Statistical Parametric MappingやFreeSurfer)と比較して評価した。

その結果、従来法よりも、精度・再現性が優れていることが証明された。さらに、本手法は従来法に比較し、測定結果を得るまでのコスト(時間的、人的)を大幅に削減しており、「MRIを用いた脳容積解析」が簡便に実施できるようになることが期待できる。

今後、認知機能低下に関連した疾患の治療効果判定や、脳年齢評価による予防医学への応用研究などを通じて、本技術の有用性を検証しながら、健康維持に貢献する情報提供環境の構築を推進していくという。

■ 用語解説
(*1)アトラス:人体脳アトラス。脳の3Dマップ。解剖学的および臨床機能的な領域に分けて名称を付与したもの。
(*2)Github(ギットハブ):世界中の人々が、人工知能などに関するプログラムコードなどを保存・公開できるプラットフォームです。

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