イシン、生成AIの成長スタートアップ最新動向を調査「生成AIツールトレンドレポート」リリース
イシンは18日、「生成AI(ジェネレーティブAI / GenAI)」をテーマに関連するOverviewや幅広いカテゴリーの世界の最新スタートアップ情報に焦点を当てた「生成AIツールトレンドレポート」をリリースした。
生成AI(ジェネレーティブAI / GenAI)とは、学習済みのデータを元に新たなデータや情報をアウトプットする技術で、2022年秋にその基盤となる大規模言語モデル(LLM)の1つGPTを活用した対話型AI「ChatGPT」が発表されると、様々な業界で大きな話題となった。多くの企業は特定分野の独自データを豊富に保有しているが、それらのデータから生成AIが生み出す価値は、企業にとってこれまでにない戦略的な強みや差別化要因となり得る。
例えば、斬新なデザインやコンテンツの自動生成、プロトタイプ製作による開発プロセスの迅速化、パーソナライズされたコンテンツやサービスの作成による顧客エンゲージメントの促進、コスト削減や自動化による生産性の向上など、生成AIをベースとしたツールが次々に誕生している。2022年の冬から2023年の春まではプロンプトに入力された質問に答えたり、画像や文章を作ったりといったユースケースが話題に上ったが、半年後の現在では情報を要約したり、データを分析した上で洞察を提供したりなど、よりコアな実務に即したアプリケーションやサービスにも注目が集まっているようだ。
2023年4月にMcKinsey & Companyが実施した年次調査「McKinsey Global Survey」によると、調査対象の企業経営幹部の4分の1近くが既に業務であるいは個人的に何らかの生成AIツールを使用していると回答し、また経営幹部の4分の1以上は「生成AI」が取締役会の議題に上っているとしていた。生成AIツールの活用は特に「テクノロジー・メディア・通信」、「金融サービス」、「エネルギー・材料」、「先端産業」、「法律・その他の専門サービス」などの分野で進んでいるようだ。
この半年間で生成AIツールを手元の業務へ導入することを検討した人も多いだろう。一般的に企業のIT管理部門が公式に利用を求めていない、あるいは許可していないツールは「シャドーIT」と呼ばれるが、2022年11月にリリースされた「ChatGPT」は、2023年第1四半期の「組織の従業員が利用する人気のシャドーIT」(Productiv)に登場するなり、第11位にランクインしている。
一方で、前述の「McKinsey Global Survey」によると、生成AIの全社的な活用やこれらのツールがもたらす可能性のある事業リスクに対し、十分な備えができているという企業はほとんどないようだ。生成AIツールの導入リスクについては、サイバーセキュリティやコンプライアンスと共にその不正確さが指摘されており、適正な社会実装のためにはこうしたリスクへの対策が急がれる。このような状況に応えるように、各国では現在、規制の整備や 民間主導の動きも始まっている。
本レポートでは、今、注目の生成AI関連のスタートアップを「業界を横断して活用できる汎用性の高い生成AIツール」、「特定の業界向けの生成AIツール」、「生成AIツールのためのインフラストラクチャ」の3つに分け、カテゴリー別に紹介している。