イーアイアイと大栄環境総研は16日、共同でAI火花検知システム『Spark Eye』(特許出願中)を開発したと発表した。
本システムは、画像認識AIの技術により、リチウムイオン電池などが破砕機において破砕された瞬間に発生する火花を自動検知(0.05秒)し、アラート発報(自動散水連携可)することで火災を未然に防ぐシステム。
また、検知した画像や動画をクラウド上で管理できる可視化機能も備えており、定量的なリスク管理が可能になる。さらに、警報の感度調整を現場の火花発生状況に応じてクラウドシステムで簡単に設定ができ、誤動作を防止することが可能になるという。
近年、廃棄物処理施設の破砕機において小型電子機器類に搭載されたリチウムイオン電池が原因の火災が増加している。これらのリチウムイオン電池類は、破砕機にて破砕された瞬間に火花や高温熱源の火種となり周辺の廃プラなどに引火し火災が発生してしまうという。
一般的な対処方法は、煙や熱検知システムを破砕後のベルトコンベア上に設置するが、この方法ではコンベア上で検知したときには既に火災になってしまっていることから検知のタイミングが遅く延焼リスクが非常に高い状態での検知を意味する。また、実際に火災が発生した際には、コンベア上で火種が移動するとともに煙などで火種の位置特定が困難なことから迅速な消火が難しいことなどが問題となっていた。
そこで、環境分野におけるAI・IoT技術を保有するイーアイアイと、資源循環ビジネスを展開している大栄環境グループは、この問題に対して共同でAI火花検知システム『Spark Eye』を開発。このシステムは、破砕機周辺に設置したカメラ画像をもとに破砕直後の火花をAIが自動検知し、アラート発報(自動散水連携可)するシステム。
これにより、従来よりも前段階での火災リスクを検知でき、未然に火災を防ぐことが可能になる。さらに、警報レベル設定による感度調整や可視化機能(検知数グラフ、火花画像、20日間以上の動画保存、リアルタイムモニタリング機能等)も備えていることから火災リスクの定量的評価が可能となるという。