サイバネットシステムは27日、大腸内視鏡で撮影された内視鏡画像を人工知能(AI)を用いて解析する『EndoBRAIN』シリーズで、大腸癌の診断を支援する『EndoBRAIN-Plus(エンドブレインプラス)』、ならびに潰瘍性大腸炎の炎症状態の診断を支援するソフトウェア『EndoBRAIN-UC(エンドブレインユーシー)』を、販売元となるオリンパスから販売開始すると発表した。
AIを搭載した内視鏡画像診断支援ソフトウェア『EndoBRAIN』シリーズとは、事前に膨大な症例画像を学習したAIが、オリンパス製超拡大内視鏡「Endocyto(エンドサイト)」で大腸内視鏡検査中に撮影された高精細内視鏡画像情報を基に、医師による病変の診断予測をリアルタイムで補助するソフトウェア群のこと。
昭和大学横浜市北部病院消化器センター工藤 進英特任教授および名古屋大学大学院情報学研究科の森 健策研究室と連携し、医師による内視鏡検査を補助するAIとして2013年から研究・開発が進められてきた。
日本医療研究開発機構(AMED)医療機器開発推進研究事業「大腸がん抑制を可能とする、人工知能にもとづく内視鏡診断支援ソフトウェア」の支援を受け、2018年12月に医薬品医療機器等法にもとづく承認をAI搭載医療機器として初めて取得している。
大腸癌診断を支援する『EndoBRAIN-Plus』とは、大腸内視鏡で得られた大腸粘膜の病変の画像をAIで解析し、その病変に対する非腫瘍、腺腫(粘膜内癌を含む)、浸潤癌、それぞれの病理診断予測を信頼度(%)で表示させることで、大腸内視鏡検査の診断を支援するソフトウェア。搭載AIは、68,082枚の画像を用いて学習モデルを構築しており、性能評価試験の結果によると、感度91.8%、特異度97.3%(※8)の精度で病変の検出が可能で、内視鏡医の支援に足る十分な精度を達成しているという。
潰瘍性大腸炎の炎症状態の診断を支援するソフトウェア『EndoBRAIN-UC』は、大腸内視鏡で得られた腸管の画像をAIで解析し、潰瘍性大腸炎の炎症の有無の確率を信頼度(%)で表示させることで、炎症状態の診断を支援するソフトウェア。搭載AIは、44,096枚の画像を用いて学習モデルを構築しており、性能評価試験の結果では、感度95%、特異度91%、正診率92%と高い精度を達成しているという。