Spectee(スペクティ)と日本気象協会、エヌ・シィ・ティ(NCT)は15日、道路に設置されたNCTのカメラの映像をもとに、AIで道路の路面状態と階級別視程をリアルタイムに判別する実証実験を行うと発表した。
将来的にリアルタイムに路面の凍結や積雪などの状態、また視程を自動判別することで道路の安全や防災に関わる事業者などに活用してもらい、地域住民への注意喚起や交通安全への貢献を目指すという。
新潟県では、毎年のように雪による交通事故や交通渋滞などの道路雪害に見舞われている。最近でも昨年末から続く豪雪の影響で交通障害が発生し、交通機関に大幅な影響をもたらした。
スペクティと日本気象協会は2019年からカメラ映像に着目し、最新のAI技術を駆使した冬季の各種防災情報の取得とリアルタイム提供サービスの開発を共同で実施している。
この技術をもとに、スペクティと日本気象協会が共同開発したAIによる道路の「路面状態判別技術」と「視程判別技術」を新潟県内でNCTが保有する道路情報カメラに応用し、AI技術の利活用検討と精度検証を目的とした実証実験を行う。
これまで、道路の路面状態等については計測機器が設置されている地点の情報しか得られなかったが、広範囲に設置されたカメラの画像を用いてAIで判定することで、降雪や吹雪による視程や路面状態の面的な分布が得られるため、より網羅的な実況把握が可能になるという。
スペクティと日本気象協会は、本実証実験により詳細な路面状態をAIでリアルタイムに把握することを可能にし、新潟県のみならず全国に展開して道路管理者や自治体など、道路の安全や防災に関わる事業者での適切な安全管理、将来的な自動運転技術の推進に役立つことを目指すとしている。