近畿大学とNTTドコモ(ドコモ)は19日、屋内と屋外を往来して飛ぶことができるドローンを活用して、大学内を自動巡回する実証実験に成功したと発表した。
近畿大学は、敷地面積が約24万平米(甲子園球場約6個分)のキャンパスを「仮想の都市空間」と見立て、次世代技術の社会実装の場として提供することで新技術の実用化に貢献している。ドコモは、安心して暮らせるサスティナブルな社会の実現に向けて、これまで培ってきたネットワーク・ICT・AI技術やプラットフォームビジネスのノウハウを活用し、社会課題の解決とより豊かな社会の実現をめざして、人々に寄り添ったドローンサービスの創出に向け、事業を推進している。
本実証は、4月18日に近畿大学東大阪キャンパスのアカデミックシアターで実施した。ドローンは、あらかじめ設定した飛行ルートをもとにドローンポートから自動巡回を行い、搭載したカメラで映像を撮影。撮影したデータは、ドコモのドローンプラットフォーム「docomo sky」において離れた場所にある複数の拠点で閲覧することで、巡回警備での有用性を確認した。
本実証では、GPSが取得しやすい屋外とGPSが取得しづらい屋内の異なる環境間でドローンを飛行させて自動巡回を行った。ドローンに搭載した上下6つの魚眼レンズが捉えた情報をもとに飛行を行うことで、目印などを設置することなく約150cmの狭所な階段の昇降や、柱などの障害物がある場所での自動巡回に成功し、ドローン飛行の安全性が確認できた。周囲の環境に左右されずに安全にドローンを飛行させることが可能になれば、巡回警備をはじめとする幅広いシーンでのドローンの活用が期待できるという。