西日本鉄道と三菱商事が共同で出資するネクスト・モビリティは11日、AI活用型オンデマンドバス「のるーと」のオペレーションの仕組みや導入・運営ノウハウの全国展開(ソリューション提供型事業)を開始すると発表した。
地域におけるバスやタクシーといった自動車交通は利用者の減少や運転士不足などの問題を抱えており、効率的で持続可能な公共交通サービスの再構築が課題となっている。このような課題に対する解決策のひとつとして、ネクスト・モビリティではAI活用型オンデマンドバス「のるーと」の運行に取り組んでいる。
「のるーと」は、利用者のリクエストに応じて適宜ルートを設定しながら運行するオンデマンド型の乗合交通サービス。AIが利用データを蓄積・学習することで、より効率的な運行ができる。また、普通二種免許での運転が可能であり、乗務員採用の裾野が広がるため、運転士不足解消につながることが期待される。2019年4月からアイランドシティ地区で運行を開始し、現在では壱岐南地区を含めた二つのエリアで運行している。
運行開始以来、「のるーと」の配車システムは安定的に稼働することができたという。また、利用者からは一定の評価があり、新しい公共交通サービスとして有効であることを確認したという。今後、「のるーと」の仕組みを広く提供し、各地域において活用することで、公共交通の課題解決につなげたいとしている。
同社では、「のるーと」のサービスは、従来の定時定路線のバスではサービスが困難であり、時間帯・経路を限定しない柔軟な運行を求められるような地域に効果的であると捉えている。「のるーと」の導入によって、多様なニーズへの対応による利便性向上や車両の小型化などによるコスト削減を図ることができると考えている。また国土交通省においても2020年2月に補助制度を新設するなど、「のるーと」のようなAI活用型オンデマンド交通の導入を推進している。