オーダーメイドによるAI・人工知能ソリューション『カスタムAI』の開発・提供およびコンサルティング事業を展開するLaboro.AI(ラボロエーアイ)は18日、非破壊検査に対し、同社が実施する渦電流探傷試験業務において損傷箇所の特定を支援するカスタムAIソリューション(損傷箇所特定AIソリューション。)の開発・提供を行ったと発表した。
渦電流探傷試験は、導電性のある製品・設備の減肉(摩耗や腐食によって金属部の厚みが薄くなる現象)を、電磁波を用いて確認するための非破壊検査法の一つ。従来、減肉箇所を特定するためのデータ解析作業は人が行っていたが、今般の損傷箇所特定AIソリューションにより、検査データを入力することで、減肉の可能性がある箇所の抽出を行い、解析者を支援する。このAIソリューションは既に作業現場に導入されており、従来と比較してデータ解析処理数量が、60%程度増加されることを見込んでいるという。
「非破壊検査」とは、プラントやインフラなど、あらゆる施設・設備の欠陥や劣化状況を、対象を破壊したり分解したりすることなく、その状態のままで検査する技術を言う。
今般、損傷箇所特定AIソリューションの対象となった渦電流探傷試験は、鉄鋼・非鉄金属などの導電性材料を素材とした製品に対する非破壊検査法の一つで、これら試験体の近くに交流を通じたコイルを接近させ、電磁誘導現象によって試験体に発生した渦電流の変化により減肉等の損傷を検出・確認する検査手法。
本件では、この渦電流探傷試験の中でも、ボイラーなどの熱交換器等の強磁性伝熱管を対象とする検査技術として同社が特許を保有する検査技術『強磁性チューブ渦電流探傷技術(FTECT:エフテクト)』にAIを適用している。具体的には、FTECTによって取得された検査データの解析作業にAIを適用し、データ上に現れる減肉信号を自動抽出することを目指したものだという。