産総研、AI技術を用いた深海における環境影響評価手法を考案

産業技術総合研究所(産総研)地質調査総合センター地質情報研究部門 齋藤 直輝 研究員、Travis Washburn 産総研特別研究員(研究当時)、および鈴木 淳 研究グループ長らは、深海における資源開発の環境影響評価に向けて、AI(人工知能)技術を活用した懸濁粒子の観測手法を考案したと発表した。

近年、深海における鉱物資源の開発が検討されている。深海では懸濁粒子のわずかな増加が生物に影響を及ぼす可能性があり、海底掘削や揚鉱水の排水に伴って発生する懸濁粒子による環境への影響が懸念されている。このため、資源開発の環境影響評価にあたっては、懸濁粒子の観測が重要。しかし、既存の手法では深海の懸濁粒子を観測することは困難だった。本研究は、物体検出というAI技術を活用して、水中画像から懸濁粒子数の自動計測を実現した。本研究により、資源開発に伴う懸濁粒子への影響の評価が可能になると期待されるという。

この成果の詳細は、2023年7月11日(日本時間)に「Frontiers in Marine Science」に掲載される。

論文情報
掲載誌:Frontiers in Marine Science
論文タイトル:Using Deep Learning to Assess Temporal Changes of Suspended Particles in the Deep Sea
著者:Naoki Saito, Travis W. Washburn, Shinichiro Yano, and Atsushi Suzuki
DOI:10.3389/fmars.2023.1132500

関連URL

産業技術総合研究所

関連記事

注目記事

  1. 2024-7-25

    ロボットバンク、【追従機能付き】自律走行搬送ロボットを発表

    ロボットバンクは24日、追従機能付きの自律走行搬送ロボットの販売開始を発表致した。 本製品は、…
  2. 2024-7-25

    DNP、全国の自治体が共同で利用可能な「メタバース役所」の提供を開始

    大日本印刷(DNP)は24日、生活者が自治体の各種サービスをインターネット上の仮想空間・メタバースで…
  3. 2024-7-19

    人機一体、直感的な操作システム搭載人型重機が JR西日本の鉄道設備メンテナンスに導入

    人機一体は17日、同社のロボット工学技術が搭載された初めての製品となる「多機能鉄道重機」が、7 月か…
  4. 2024-7-17

    順天堂大学、AIを用いた脳容積解析ソフトウェアを開発

    順天堂は16日、順天堂大学保健医療学部診療放射線学科の後藤政実 先任准教授、京極伸介 教授、代田浩之…
  5. 2024-7-12

    生成AIによるオススメフォントのアドバイスサービス「DynaGPT」リリース記念キャンペーン

    主に文字フォント開発、およびその関連製品の開発・販売・保守を行う、ダイナコムウェアは、生成AIによる…

カテゴリー

最近の投稿

ページ上部へ戻る