無人ロボットの開発を手がけるイーエムアイ・ラボ(EMI-LAB)と農業用噴霧機メーカーの麻場は18日、業務提携を視野に入れ、車両型農薬噴霧ロボットの共同開発を開始したと発表した。
中山間地では、農家の高齢化や労働力不足が深刻な問題となっている。このような状況に対して、農業現場に適した製品の開発が求められていた。両社は、農家の負担軽減に向けた無人ロボットの需要は大きいと考え、来春にもモニター販売を始める予定。
今秋から共同開発を開始し、ブドウ農家に向けた無人ロボットを試作。麻場は、噴霧機の素材にステンレスではなく、耐久性を高めるためセラミックを採用。さらに、噴霧の向きを変えられる長さ1mのノズルも製造した。農薬の種類や栽培作物に応じた形状のノズル製造技術が活かされているという。
イーエムアイ・ラボは、 噴霧機を搭載する車両型の無人ロボットを開発。この無人ロボットは自動走行も可能で、幅は0.9m、長さは1m、高さは0.8m。噴霧機を搭載した無人ロボットの価格は100万円以下とし、来年は10台販売する予定。今回の開発にあたっては、農家の声も取り入れ、長野県内で栽培が盛んなリンゴやブドウ、野菜を対象に中山間地で使用可能な車両型の無人ロボットの製造を進めてきた。農家の高齢化に対して、省力化や効率化を目指し、小回りが効いて傾斜地でも走行できる車両だという。価格を下げることで導入のハードルを低くし、新規就農の促進にもつなげたいとしている。