ZIAIは13日、SNS上に投稿された自殺関連キーワードを自動で収集し、アカウント名や投稿内容を整理して一覧化、ワンクリックで該当者へのアプローチを可能にする自殺検知システムのβ版をリリースした。
2019年の自殺者総数から逆算すると、日本では毎日55人が自殺しており、自殺死亡率(人口10万人当たりの自殺者数)もG7のなかで最下位。特に10代後半から20代の男女では、死亡原因の第一位が自殺という状況が続き、自殺による経済損失は年間数千億円にのぼるという。
そんな中、現在の日本では自殺に関連するキーワードを主要インターネットメディアに記載・検索・投稿すると、厚生労働省や関係NGO、各地域の相談窓口が自動的に表示される、いわゆる「プル型」の仕組み。政府としてもこのSNSを活用したオンライン相談の取り組みを強化していますが、年間53万人と言われる自殺未遂者の推計に対し、年間のSNS相談件数はたった約2万件、つまり全体の4%に過ぎない。
彼らからのSOSを受け身で待つのではなく、社会からその声を拾い上げる「プッシュ型」の仕組みが必要不可欠だという。
SNS自殺検知システムは、インターネットオープンソース上の自殺関連投稿データをリアルタイムで自動収集し、ハイリスク者に対して連絡を行うAI自殺検知システム。アカウント名や投稿内容を整理して一覧化し、AIアルゴリズムとプロのカウンセラーの視点を掛け合わせ、ハイリスク者と判定された人のみにワンクリックでメッセージを送ることが可能。今後はオンライン相談を実施する関連NGOや教育・医療機関と連携し、返信者に対するオンライン・オフライン双方での介入を進めることで、社会からSOSの声を拾い上げる世界の実現を目指すという。