AI技術をロボティクスに実装し社会課題の解決を進めるロビットは18日、三菱ケミカルの100%子会社であるダイヤテックスに、AI外観検査ソリューション「TESRAY」が採用されたと発表した。
ロビットが開発し導入を進める「TESRAY」は、外観検査工程の自動化に必要となるAI・撮像・ロボティクス技術を全て自社で保有することで、高精度の異常検出を瞬時に行い、インラインで全数検査を実現する技術。製造業をはじめとした幅広い産業、多様な検査対象に対して、高精度の検査実績を有しており、従来から繊維加工品への導入拡大も進めている。
ダイヤテックス社では、現在画像処理技術を用いた欠点探知機にて不良箇所を検知してるが、探知レベルを上げると異常箇所の過検出(正常部を異常部と判定すること)が生じ、場合によっては製品不良となる実際の異常の100倍以上の不良箇所を検出し、目視による再検査実施という作業負荷が重い状況となっていた。また、異常の分類や程度を定量化できず、作業員の経験や目測で良否の判断をしていた。
今回、同社設備を用いた「TESRAY」による技術検証を実施し、異常部検出99%超、正常部過検出0%の高精度の異常検出成果を実現。本検証の成果はディープラーニング技術を基にした同社独自のアルゴリズムによって、製品品質や外観上問題がない繊維のヨレなど、異常部に酷似した正常部を過検出せずに異常部のみの検出に成功していることが大きな特長だという。なお、本検証はインラインへの導入を前提として実施しており、異常種類の細分化や異常サンプルの数量増によって更なる精度向上に目処を立てている。