富士通、異常要因を特定する世界初の時系列AI技術を開発

富士通とフランスの国立研究機関Inriaは16日、時系列データにおいて、異常な状態と判定した要因を特定するAI技術を開発したと発表した。

近年、ヘルスケアや社会インフラ、ものづくり分野をはじめとする様々な場面で多くの時系列データが収集され、AIを活用した状況判断や異常検知が行われている。その中でも、AIによる判定結果の根拠を説明することが求められているが、時系列データの場合は、AIの判定要因が多種多様に存在するため、専門家であってもどのようなデータの変化が異常判定に影響したのかに気づきにくく、異常な状態への適切な対応や防止策につなげることが難しいという課題がある。

今回、富士通とInriaは、Topological Data Analysis(TDA)技術をベースに、時系列データにおいてAIによる異常判定の要因を特定し、正常と異常間の判定の変化を視覚的にわかりやすく提示できる技術を世界で初めて開発した。

これにより、様々な事象の時系列データにおいて、異常判定の要因分析を支援し、異常が起こるメカニズムの解明や新たな解決策の発見などへの貢献が期待できるという。

富士通とInriaは、今回共同開発した技術について、企業の業務現場や研究機関の実験などでの活用を促し、技術検証していく。また、本技術の改良を重ね、富士通は、2021年度中にAI技術「FUJITSU Human Centric AI Zinrai(ジンライ)」の一つとして実用化し、幅広い分野への展開を目指すとしている。

関連URL

富士通

関連記事

注目記事

  1. 2024-7-25

    ロボットバンク、【追従機能付き】自律走行搬送ロボットを発表

    ロボットバンクは24日、追従機能付きの自律走行搬送ロボットの販売開始を発表致した。 本製品は、…
  2. 2024-7-25

    DNP、全国の自治体が共同で利用可能な「メタバース役所」の提供を開始

    大日本印刷(DNP)は24日、生活者が自治体の各種サービスをインターネット上の仮想空間・メタバースで…
  3. 2024-7-19

    人機一体、直感的な操作システム搭載人型重機が JR西日本の鉄道設備メンテナンスに導入

    人機一体は17日、同社のロボット工学技術が搭載された初めての製品となる「多機能鉄道重機」が、7 月か…
  4. 2024-7-17

    順天堂大学、AIを用いた脳容積解析ソフトウェアを開発

    順天堂は16日、順天堂大学保健医療学部診療放射線学科の後藤政実 先任准教授、京極伸介 教授、代田浩之…
  5. 2024-7-12

    生成AIによるオススメフォントのアドバイスサービス「DynaGPT」リリース記念キャンペーン

    主に文字フォント開発、およびその関連製品の開発・販売・保守を行う、ダイナコムウェアは、生成AIによる…

カテゴリー

最近の投稿

ページ上部へ戻る