芝浦工業大学は20日、同学工学部情報工学科の新熊亮一教授、情報通信研究機構(NICT)脳情報通信融合研究センター(CiNet)の西田知史主任研究員、西本伸志特別招へい研究員らの研究グループがNTTデータと共同で、簡単なアンケートの回答からCMを視聴中に脳が反応するパターンの個人差(類似度)を予測することに成功ましたと発表した。この成果は工学分野でトップクラスのジャーナルの「IEEE Transactions on Systems, Man, and Cybernetics: Systems」に、7月16日に掲載された。
CM(コマーシャル、ここでは特にその映像)が個々の視聴者に与える好感度などを予測できれば、効果的なマーケティングが実現できる。一方でCMに対して視聴者が好感を持ったかなど、どのような影響を与えたかの直接的な効果測定は困難。
視聴者Aの脳反応と、あるCMに興味を示した視聴者Bの脳反応との類似度が高ければ、AはBと同じCMに同様の興味を示すことが予測できる。
この研究ではその類似度の予測を、5~10問程度の簡単なアンケートの回答に機械学習を用いることで可能にした。簡単なアンケートで回答者それぞれの脳反応を予測できるため、モニターなど協力者の負担、さらにはモニタリングコストを大幅に減らすことができる。
■論文情報
1.論文名/Reduction of information collection cost for inferring brain model relations from profile information using machine learning
掲載誌/IEEE Transactions on Systems, Man, and Cybernetics: Systems
DOI: 10.1109/TSMC.2021.3074069
2.論文名/Relational network of people constructed on the basis of similarity of brain activities
掲載誌/IEEE Access, vol. 7, pp. 110 258-110 266, 2019.