日立ソリューションズは、車載ソフトウェアの開発において、AI(人工知能)技術を活用し、文書やソースコードからプロジェクトの品質不良や工期遅延リスクを早期発見することで、手戻りの防止や業務効率向上を支援する「プロジェクト状況可視化システム」を10月21日から販売開始する。
本システムでは、自然言語処理AIによるプロジェクト計画書や仕様書、設計書の品質分析結果や、ソースコードの不具合情報などの解析結果を組み合わせ、プロジェクト全体の品質を診断し、スコアリングする。日々のレポートでは、スコアリングとともに、機能別や工程単位での品質や進捗状況、不具合発生の傾向、残存テスト項目なども可視化される。
プロジェクト管理者は、メンバーがリモートワークで分業するような状況においても、レポートから常に最新の進捗状況を把握し、問題を早期に発見できるため、手戻りを防止できる。プロジェクトメンバーは日々、報告書の作成負荷を軽減することができる。
自動運転や省エネへの対応のため、車載ソフトウェアの開発はますます高度化・複雑化している。また、新常態(ニューノーマル)におけるリモートワークの普及や、プロジェクトの分業化が進んでおり、プロジェクト管理者にとって品質の確保や業務効率向上は喫緊の課題となっている。
そのような中、プロジェクト管理者が状況を把握するために、メンバーが日々報告書を作成するなど、業務負担が課題となっていた。プロジェクトの成果物の品質がメンバーによってばらつきがあり、プロジェクト管理者があとから気づいて品質の底上げに時間を取られたり、作業を分業している場合は、メンバー間で指摘への対応漏れやチェック作業の対応漏れが発生したりするなどの問題もあった。
日立ソリューションズはこのような課題を解決するため、AIを活用することで、プロジェクトのリスクを早期発見して手戻り防止や業務効率向上を支援する「プロジェクト状況可視化システム」を提供する。
日立ソリューションズは、今後も車載ソフトウェアの開発全体を支援するソリューションを提供していくことで、より安全で快適な、人と車が調和する「スマートモビリティ社会」の実現に貢献していくとしている。