GINZAFARMは11日、宮城県と同県内の施設園芸経営体が取り組む「パプリカスマート商流実現と他社間連携による安定出荷体制の構築において、AIを活用してパプリカの収穫が可能となった個数を精密に計測する「レール対応型FARBOT」を開発したと発表した。
宮城県栗原市・石巻市で行われているスマート農業実証において、スマート商流実現に伴いパプリカの収量をAIで予測するため、新たに「レール対応型FARBOT」を開発し、実証地のベジ・ドリーム栗原、デ・リーフデ北上、デ・リーフデ大川でそれぞれ実証を行った。
実証先のパプリカハウスでは全てのレーンでレールが敷設してあり、その走行を可能にするため、車輪構造を新設計した。レールへの乗り入れもスムーズに行え、自動走行中のレール往復については磁気感知・金属感知の両方への対応を可能とし、現状のままの設備で使用できる。
AIによる収量カウントは、パプリカの生育状態(熟度)の色味により複数の段階に分けて数える。FARBOTは、自動走行スイッチをONにするだけでカウント作業を開始から終了まで自動で行う。収穫数量と時期を自動で予測することで、作業時間が削減される。
今回はFARBOTに左右両方2台のカメラとAIプログラムを搭載して撮影しながら解析を行っており、その映像を高精度に保つため、走行速度をセンチメートル単位/秒で制御している。
GINZAFARMは、本基礎車体をFARBOTの新たなラインナップとして販売を開始する。本実証で行われるAIセンシングでの利用のみならず、レール敷設のハウス内での運搬作業補助や自動農薬散布など、様々な機能を顧客の要望により付加することが可能。走行速度も作業する内容に応じて時速数百mから5km程度まで制御が可能。