プログラミング教育サービス事業を手がけるライフイズテックは25日、5月3日〜7日のゴールデンウィーク期間中無料開催した、中高生約220名を対象に「AI×クリエイティブ1DAYイベント」のレポートを公開した。
「Unityゲームプログラミング」「映像制作」の2コースで、ChatGPTやStable DiffusionなどのGenerative AIを実際に体験しながらクリエイティブ技術とAI、そして自分自身の創造性を掛け合わせることの楽しさを中高生に体感した。
ChatGPTやStable Diffusionに代表される生成AIがますます身近な存在となる中、「AIネイティブ」である中高生に、AIが持つ可能性や自分にとってのポジティブな使い方を知ってもらうことを目的に開催した「AI×クリエイティブ1DAYイベント」。5月3日〜7日のゴールデンウィーク期間中、東京・大阪の2会場で、中高生約220名を対象に実施した。
コースは「AI×Unityゲームプログラミングコース」と「AI×映像制作コース」の2コース。それぞれ5~6名のグループに分かれ、大学・大学院生メンターが各テーブルに1人つく。
カラフルなTシャツを身につけ、ワクワクするオープニング、そしてAIに関するアクティビティを行ったのち、本格的な開発に入った。
「AI×Unityゲームプログラミングコース」では、プレイヤーを走らせて障害物を避けながらゴールを目指すゲームを制作。プレイヤーを動かすコードを説明に沿って書いた後、生成AIを使ってゲームをアレンジしていく。
まずは画像生成AI「Stable Diffusion」を使い、オリジナルの背景を生成。自分がイメージする世界観を言語化し、プロンプト入力していく。背景が生成されたら、次に音楽生成AI「Mubert」を使ってBGMを生成。こちらも自分が表現したい音楽の雰囲気(例えば「Happy(幸せ)」「Fun(楽しい)」「Epic(壮大)」など)を想像し、プロンプトを考えていく。
よりオリジナル化するために、障害物を動かしたり、変化させるコードもChatGPTに指示。ChatGPTによって生成されたコードを活用しながら、ゲームをより複雑化させていった。
「AI×映像制作コース」のテーマは「清涼飲料水のCMを作ろう!」。
動画編集ソフトAdobe Premiere Proを使いながら、テキスト生成AI「ChatGPT」と一緒にCMのキャッチコピーを考える。ChatGPTに出してもらった10個のコピーから好きなものを選んだ上で、さらにChatGPTと「対話」を繰り返し、コピーをブラッシュアップさせていく。
次に、ゲーム同様に画像生成AI「Stable Diffusion」で背景画像を、音楽生成AI「Mubert」でCMのBGMを作成し、自分だけのオリジナルCMを完成させた。
最後は完成させた作品をチーム内で共有。同じゲーム、同じCM素材を利用したにも関わらず、一つとして同じ作品がなく、一人ひとりの個性や「好き」が垣間見える作品がずらり。
UnityやAdobe Premiere Proに初めて触る参加者が多くいたにも関わらず、たった1日で全員がオリジナルのゲームや映像を制作できたことに驚き、AIと共創するからこそのスピード感と「AIネイティブ」である中高生たちがAIをポジティブに活用していくことの可能性を感じた。
参加した中高生たちは、「AIでこんなにクオリティの高い絵や音楽やスクリプトができるのに驚きました」、「AIを沢山駆使して、映像を作るのは新感覚で楽しかったので、もっといろんなものを作ってみたい」「AIについて強くなれたかも!」などといった声が聞かれ、AIの可能性を実感した様子。
ライフイズテックは今後も、AIをはじめとするデジタル技術を活用したものづくりの機会を増やし、自身の可能性やクリエイティビティを発揮しながら未来を創造していくさまざまな挑戦を支援していくという。
なお、夏休みに開催する「Life is Tech ! Summer Camp 2023」では、早稲田大学や学習院大学、名城大学などで新たにAIコースを新設し、生成AIを活用しながら、主にゲームを制作する。ノベルゲームや脱出アクションゲームのようなクリエイティビティに富んだゲームや、ゲームのオープニングムービーをつくりながら、AIと協創する方法を学んでいく。
申し込みは、2023年7月6日(木)まで。
「Life is Tech ! Summer Camp 2023」詳細・申込