理化学研究所(理研)と同社は14日、両社が共同開発し、2020年4月に試行的利用を、また2021年3月に共用(本格稼働)を開始したスーパーコンピュータ「富岳」は、世界のスーパーコンピュータに関するランキングの「HPCG(High Performance Conjugate Gradient)」および「Graph500」において8期連続の世界第1位を獲得したと発表した。また、「TOP500」は第4位、「HPL-MxP」は第3位だった。
これらのランキングは、現在米国 コロラド州デンバーのコロラド コンベンションセンターおよびオンラインで開催中のHPC(ハイパフォーマンス・コンピューティング:高性能計算技術)に関する国際会議「SC23」において、11月14日(日本時間11月15日)に発表される。
「富岳」は、2020年4月の試行的利用を経て2021年3月に共用を開始して以来、ライフサイエンスや防災減災、エネルギー、ものづくり、基礎科学、社会経済などの幅広い分野において、社会実装レベルで様々な成果を創出し続けている。
同社は、「富岳」に採用されたテクノロジーをベースとした「FUJITSU Supercomputer PRIMEHPC FX1000」を含むHPC技術や、組合せ最適化問題を高速で解く「Fujitsu Quantum-inspired Computing Digital Annealer」などの高度なコンピューティング技術やAIなどのソフトウェア技術を、専門の技術者だけでなく誰もが容易に利用できるようにクラウドサービス「Fujitsu Computing as a Service(CaaS)」として2022年10月から提供しており、製造業を中心に幅広い業種のユーザーに検討されている。
同社は今後も、本サービスを通じて、これまで培ってきた技術を幅広く提供し、高機能な新材料の開発や輸配送の人手不足などの社会課題解決につなげるため、ユーザーとの共創を進めていくとしている。