三菱電機とHACARUS(ハカルス)は22日、AI外観検査事業の拡大を目指し、協業契約を締結したと発表した。これにともない、両社の一層の関係強化のため、三菱電機はHACARUSに出資する。
三菱電機のFAシステム事業は、製造現場のデジタル領域への対応を強化し、循環型 デジタル・エンジニアリングの実現を進めている。設計から製造・試験・運用保守などの各工程において、自動化やデジタル化を実現するため、各領域に強みをもつソフトウエア会社への出資・協業を進めてきた。
近年、社会課題が多様化しており、そのひとつである労働人口の減少により、製造業でもさらなる省人化が求められている。外観検査工程では、画像処理技術を活用したルールベースでの外観検査などが導入されてきたが、傷や色ムラなど見栄え面での不良検出が困難であるため、AI技術の活用による外観検査工程のさらなる自動化や検査員の負担軽減が期待されている。
三菱電機は、外観検査工程における自動化を促進するため、自社製AIであるMaisartを搭載した「AI外観検査ソフトウエアMELSOFT VIXIO(メルソフト ヴィクシオ)」を2023年12月に発売し、外観検査事業の更なる強化のため、HACARUSとの協業を進めてく。
HACARUSは、独自の軽量なAI を搭載したAI外観検査ソリューション「HACARUS Check」を提供しており、AI の開発技術に加え、AIと各種FA機器の連携や製造現場への導入にも豊富な知見を有している。それらの知見を活かし、今後はAI外観検査を中心に、製造現場の品質や生産性の向上を目指したソリューションの開発を加速する。
今回の協業により、三菱電機は、HACARUSの保有する知見、ノウハウを活用し、自社の持つFA機器や各種ソフトウエアとの融合により、AI外観検査領域におけるMELSOFT VIXIOの販売拡大を目指すという。HACARUSは、三菱電機が持つ国内外の幅広い販売網とFA機器を活用し、自社の持つ外観検査システムの販売拡大を目指す。両社は本協業契約に基づき、両社の経営資源や技術的強みを活かしたシナジーの最大化を図り、製造現場における外観検査工程のさらなる自動化・省人化に貢献するとしている。