ユニバーサルロボット(UR)は10日、顕微鏡用、医療用、電子工業用など各種ガラス製造の松浪硝子工業が、さまざまな工程への板ガラスの投入、回収作業にURの協働ロボットを導入したことを発表した。2017年の初号機投入来、全15台のURロボットが導入された。
松浪硝子工業は競争力維持や将来の人手不足への対応の観点から、以前から人が行っている作業工程の自動化を推進してきた。当初は従来型の産業用ロボットによる自動化を行ってきたが、工場のスペースに制限のある中、安全柵が必要な産業用ロボットを導入するには都度レイアウト変更が必要で、設定変更の度にシステムメーカーを呼ぶ必要があることが課題だった。
取引先の代理店からURロボットを紹介され、安全柵が不要で人と協働作業ができることに魅力を感じURロボットの導入を決めたという。初めに導入したのは加工機への板ガラスの投入作業。状況に応じガラスを表面、裏面いずれかで投入するが、URロボットは各軸の可動域が±360°あり、大判ガラスを回転させたり、反転させたりする人の作業を忠実に再現することができた。
初号機投入の成功を受け、松浪硝子工業では切断機への板ガラスの投入などさまざまな工程にURロボットを活用し、現在は15台のロボットが稼働している。URロボットを使ったシステムを社内で構築できたことが自信となり、今では従来型の産業用ロボットのプログラミングも内製化できるようになったという。