NTTデータとJSOLは24日、2022年4月から、常陽銀行の法人営業の実業務において、口座入出金データを活用した「資金需要予測AIモデル」の効果検証を開始したと発表した。
「資金需要予測AIモデル」の活用によって、これまで以上に早い取引先企業の取引状況検知を可能とし、常陽銀行における取引先企業への先回りしたアプローチやデータ分析結果に基づく提案品質向上を目指すという。
常陽銀行はめぶきフィナンシャルグループの中期経営計画の中で『地域とともにあゆむ価値創造グループ』を目指しており、地域のステークホルダーのさまざまな課題に寄り添い、ともにあゆみ解決することで、新たな価値を創り続ける、という長期ビジョンを掲げている。
その実現にあたり、より多くの顧客の期待と信頼に応えられるよう、顧客接点や課題解決力・提案力の向上など、営業活動高度化に取り組んでいる。
NTTデータとJSOLはAI技術を活用して同行における営業活動高度化に向けた支援について検討を行い、取引先企業の口座入出金データから資金需要見込みを予測するAIモデルを開発した。
2022年1月から3月に実施した過去の口座入出金データを用いたPOC(机上検証)で一定の成果を得ていることから、4月からAIが出力した予測結果を常陽銀行の全店に展開し、法人営業担当者の実業務での提案活動における効果検証を行っている。
「資金需要予測AIモデル」は常陽銀行の法人取引先における膨大な入出金データを学習し、過去の取引推移パターンから将来の資金需要を予測する。AIを活用することで、従来の経験に基づく人の判断では気が付かない変化の検知が可能となる。
今回の取り組みを通じて、以下の狙いに対する有効性を検証していく。
1.タイムリーな融資提案 ・・・取引先の資金需要に対して先回りしたアプローチ
2.融資提案の質向上 ・・・データ分析結果に基づく取引先との会話品質向上
3.新規顧客への融資提案 ・・・純預金先等への提案機会の創出
NTTデータとJSOLは今後、本取り組みを通じて常陽銀行におけるデータに基づく営業活動の定着と業務高度化の拡大に向けた支援を継続していくとしている。