セイコーエプソン(エプソン)およびエプソンクロスインベストメントは25日、両社の出資するEP-GB投資事業有限責任組合を通じて、宇宙用汎用作業ロボットを開発するスタートアップ企業GITAI Japanに対して追加出資したと発表した。
GITAIは、「宇宙に安価で安全な作業手段を提供する」ことをビジョンに掲げ、宇宙ステーションの船内外や地球軌道、さらに月面や火星での作業を担う労働力となる、宇宙用汎用作業ロボットの開発・販売と宇宙作業代行サービスの提供を目指す日本発のスタートアップ。
月面資源開発や火星探査、ISS(国際宇宙ステーション)の商業化など宇宙開発が加速する中、新たな宇宙ステーションや月面・火星基地の建設など宇宙空間におけるさまざまな作業の急増が見込まれている。こうした作業は、人体へのリスクを抱えながら宇宙飛行士が行っているのが現状であり、そのための育成や輸送に莫大なコストが発生している。
GITAIではこのような課題に対して、宇宙飛行士の負担・リスクを軽減し、かつ宇宙空間作業にかかる輸送・育成などの総コストを大きく削減でき、宇宙開発における安全と安価を高度に両立可能な汎用作業ロボットを開発している。2021年以降には月面作業ロボットや船外ロボットなどを開発、さらにISS内での実証機による船内実験を完遂するなど着実に実績を積み上げている。
エプソンは、長期ビジョン「Epson 25 Renewed」において、マニュファクチャリングイノベーションにより、環境負荷に配慮した「生産性・柔軟性が高い生産システム」を共創し、ものづくりを革新することを目指している。宇宙ロボット技術が、エプソンのロボティクス技術への応用も期待できるとともに、拡大する宇宙ビジネス市場で競争力を発揮し、さまざまな実績を重ねて成長を続けるGITAIの高い技術力および組織力、さらにこれまでの実績を高く評価し、2021年の投資に続いて追加出資した。